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子供の自殺予防にGIGA端末活用「SOS早期把握」文科省

 文部科学省は2023年7月10日、夏休み明けに増加傾向にある児童生徒の自殺を予防する取組みについて、各都道府県の教育委員会へ通知を出した。SOS早期把握に向け、健康観察・教育相談システムを一覧で紹介するなど、1人1台端末を活用した対策を求めている。

教育行政 文部科学省
1人1台端末を活用した健康観察・教育相談システム一覧(無償)
  • 1人1台端末を活用した健康観察・教育相談システム一覧(無償)
  • 健康観察・教育相談アンケート作成マニュアル
  • Google Looker Studio 活用事例
  • Microsoft 365 Education 「Reflect」活用事例

 文部科学省は2023年7月10日、夏休み明けに増加傾向にある児童生徒の自殺を予防する取組みについて、各都道府県の教育委員会へ通知を出した。SOS早期把握に向け、健康観察・教育相談システムを一覧で紹介するなど、1人1台端末を活用した対策を求めている。

 警察庁・厚生労働省の自殺統計によると、児童生徒の自殺者数は2022年に過去最多の514人。2023年は1月から5月までの暫定値で164人(前年同期190人)と、依然として憂慮すべき状況が続いている。

 文部科学省は18歳以下の自殺が、学校の長期休業明けにかけて増加する傾向があることから、7月10日付で各都道府県の教育委員会へ「児童生徒の自殺予防に係る取組について」と題した通知を発出。あわせて1人1台端末などを活用して無償・有償で利用できる健康観察・教育相談システムを整理し一覧で示すとともに、Googleフォームや Microsoft Formsを活用して同様のアンケートフォーム作るためのマニュアルを作成した。

 各学校においては、これらを資料も活用しつつ、アンケート調査や教育相談などを実施し、悩みや困難を抱える児童生徒の把握に積極的に取り組むよう依頼。特に、いじめや不登校を抱える場合は、長期休業中も全校登校日などの機会を捉えて面談の実施や保護者への連絡、家庭訪問などにより継続的にようすを確認。自殺を企図する兆候がみられた場合には、速やかに学校の管理職などと情報共有を図り、保護者や医療機関などとも連携しつつ、命の危機を防ぐため万全の体制で対応にあたるよう求めている。

 また、スクールカウンセラーが児童生徒へのカウンセリングを行ったり、スクールソーシャルワーカーによるスクリーニングを行ったりするなど新たな取組みを行った場合は、追加配置が可能な場合もあるので同省へ相談すること。加えて、「SOSの出し方に関する教育」を含めた自殺予防教育の実施や、「24時間子供SOSダイヤル」を始めとする電話相談窓口、SNSなどを活用した相談窓口の周知を長期休業の開始前において積極的に行うよう依頼した。

 このほか、保護者に対する家庭における見守りの促進、学校内外における集中的な見守り活動やネットパトロールの強化などを示し、児童生徒のSOSを早期に把握し適切に支援するよう求めている。

《川端珠紀》

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