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質の高いインターンシップ、23年度実施予定は6割…経団連

 日本経済団体連合会は2023年3月23日、「質の高いインターンシップに関する意向調査」の結果を公表した。産学協議会が定めた新たなインターンシップの認知度は95.2%。タイプ3に該当するインターンシップを2023年度に実施予定(検討中含む)の企業は約6割だった。

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2022年度におけるインターンシップの実施状況
  • 2022年度におけるインターンシップの実施状況
  • 2022年度におけるインターンシップの実施状況
  • 2022年度に実施したインターンシップ・プログラム(個別事例の分析)
  • 質の高いインターンシップの認知状況
  • 質の高いインターンシップの実施予定
  • タイプ3のインターンシップ・プログラムを実施しない理由
  • 「ジョブ型研究インターンシップ」の認知および関心状況
  • 学生のキャリア形成支援活動(4類型)特徴の比較

 日本経済団体連合会(経団連)は2023年3月23日、「質の高いインターンシップに関する意向調査」の結果を公表した。「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」が定めた新たなインターンシップの認知度は95.2%。タイプ3に該当する「汎用的能力・専門活用型インターンシップ」を2023年度に実施予定(検討中含む)の企業は約6割だった。

 「質の高いインターンシップに関する意向調査」は2023年1月10日~2月3日、経団連全会員企業1,521社を対象に電子メールによる調査票送付・回収方式で実施。275社から回答を得た。

 経団連と国公私立大学のトップで構成する「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」は2022年4月、産学が協働して行う「学生のキャリア形成支援活動」について、「タイプ1:オープン・カンパニー」「タイプ2:キャリア教育」「タイプ3:汎用的能力・専門活用型インターンシップ」「タイプ4:高度専門型インターンシップ」の4タイプに類型化。就業体験を必須とする等、5つの要件を満たす質の高いインターンシップ推進について産学が合意している。

 2023年度から、質の高いインターンシップを核とする4類型によるキャリア形成支援活動が実施されることを受け、経団連会員企業に対する周知活動の一環として調査を実施した。2023年度からは、タイプ3・4のインターンシップで取得した学生情報を採用活動開始以降に活用することが可能となる。

 調査結果によると、2022年度にインターンシップを実施した企業は82.4%、実施していない企業は17.6%。受け入れた学生数は、「200名以上」が39.5%ともっとも多く、「10~49名」20.6%と続いた。従業員規模別に実施状況をみると、従業員数が多くなるほど実施割合が高い傾向にあった。

 224社から寄せられた個別事例429件の分析によると、対象年次は「学部3年」と「修士1年」が多く、実施日数は「2~4日」が最多だった。就業体験を実施するプログラムは294件と多いが、就業体験を実施しないプログラムも107件あった。なお、実施日数2~4日や、就業体験を実施しないプログラムは、2023年度から開始する質の高いインターンシップ(タイプ3、タイプ4)には該当しない。

 産学協議会が新たなインターンシップの定義を定めたことについては、「内容も知っている」83.2%、「定めたことは知っているが、内容は知らない」12.0%、「知らない」4.7%。「産学協議会基準準拠マーク」は、「内容も知っている」52.6%、「見たことはあるが、内容は知らない」23.0%、「知らない」24.5%。

 タイプ3に該当するプログラムについて、「すでに実施している」企業は37.2%、「2023年度より実施予定(検討中を含む)」19.0%と、検討中を含め2023年度に実施予定の企業は56.2%だった。

 一方、タイプ3のインターンシップを実施する予定がない理由では、「業務の特性」「職場の理解や人手不足等」により、就業体験・指導・実施期間・実施時期・情報開示という5つの要件を満たすことが難しいとする企業が多かった。タイプ4に該当するジョブ型研究インターンシップについては、「関心がある」(30.3%)と「一度説明を聞いてみたい」(40.9%)をあわせた企業は7割にのぼった。

《奥山直美》

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