リシードでは、教育関係者の間でこのニュースが大きな話題となっていることを受け、教員免許更新制の廃止に関するアンケートを読者へ実施。教員免許保有者121名から回答を得た。その結果を取りまとめたものを以下に紹介する。
◆アンケート実施期間:2022年6月22日~2022年7月8日
◆有効回答数:121
「教員免許更新制の廃止」について、「賛成」が75.2%、「どちらかといえば賛成」が18.2%となり、回答者全体の93.4%が廃止に賛成していることがわかった。一方、「どちらかといえば反対」は2.5%、「反対」は0.8%だった。
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「賛成」「どちらかといえば賛成」と回答した理由では、「現場でもたくさん研修がある上に実費で更新しなければいけないのは時間の無駄だった」「仕事が忙しい中で講習可能な大学を探したが、どの大学も定員が一杯で締め切られ、探すのが大変だった」「時間と、自腹を切った3万円を返してほしい」等、更新の際にかかる時間や金銭のコストに対する不満の意見が多くあがった。
また、「再就職しようとしても講習を受けないと効果を発揮しない状態であることが、今の教員不足の原因になっている」「教員不足が解消されるかもしれない」等、更新制の廃止が教員不足につながることを期待する声があがった。
免許更新時の講習について、「これまでの更新講習が形式的なもので、不適格教員をふるいにかける効果が得られなかった」としつつ「指導力はもちろんだが、社会性も含めて教員としての資格を確認する手段は必要であると考える」との指摘もあった。
反対派の意見としては、「教員の質が低下する」との回答があり、更新時に講習を受ける機会がなくなるほか、休眠状態の免許が自動で復活することへの不安があるようだ。
今回の法改正により、教員免許状を必要とする職に就いておらず、有効期限を過ぎたため「休眠」扱いとなっていた免許状についても、無料で自動的に有効になる。教員の質をいかに低下させないか、という課題には引き続き取り組む必要があるだろう。
一方で、これまで不満の声が多かった更新制が廃止されることで現役の教員の負担が軽減され、全国的な問題となっている教員不足についても、改善が進むことを期待したい。
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