第26回参議院議員通常選挙が近く行われる。政府・与党は6月22日公示、7月10日投開票の日程で調整している。6月1日付の通知は、教職員等の選挙運動の禁止等について、所管の学校や教職員に周知徹底してもらうため、都道府県、都道府県教育委員会、指定都市・中核市、指定都市教育委員会に向けて発出したもの。
通知では、公務員は政治的中立性を確保し、行政の公正な運営の確保を図る必要があるとしたうえで「特に、教育公務員については、教育基本法等における教育の政治的中立性の原則に基づき、特定の政党の支持または反対のために政治的活動等をすることは禁止されている」と明記。教育公務員の職務と責任の特殊性により、教育公務員特例法において公立学校の教育公務員の政治的行為の制限は、国家公務員の例によることとされ、人事院規則で定められた政治的行為が禁止されており、公職選挙法においても選挙運動等について特別の定めがなされていると説明している。
「学校の内外を問わずその地位を利用して特定の政治的立場に立って児童生徒等に接すること等により、その職の信用を傷つけ、学校教育に対する国民の信頼を損なうこととなる場合は、地方公務員法に基づき、信用失墜行為の禁止に抵触する可能性がある」とも記載。今回の選挙にあたり、地方公務員法および教育公務員特例法、公職選挙法等に留意のうえ、教育公務員が個人としての立場で行うか職員団体等の活動として行うかを問わず、規定に違反する行為や教育の政治的中立性を疑わしめる行為により、学校教育に対する国民の信頼を損なうことのないよう、服務規律の確保を徹底するよう要請している。
また、公立学校の教育公務員以外の職員や教育委員会事務局職員等について、地方公務員法および公職選挙法により政治的行為が制限されていると説明。教育委員会の教育長や委員についても、地方教育行政の組織および運営に関する法律および公職選挙法において、積極的に政治運動をすることやその地位を利用して選挙運動をすることは禁止されているとした。
通知では、地方公務員法や教育公務員特例法、公職選挙法等の関係条項についても記載。選挙運動等の禁止制限に違反することは許されず、法令の遵守の徹底は任命権者および服務監督権者の責務であるとしたうえで、通知の趣旨をすべての教職員等に周知し、非違行為を行った者には厳正な措置をとるよう求めている。
参考資料として、教育公務員の違反行為の具体例についても添付。「PTA等の会合の席上で特定の候補者へ投票するよう依頼する」「選挙用ポスタ-を貼ってまわる」「勤務時間の内外を問わず、選挙運動等のために、公の設備である学校の電話、FAX、パソコン、コピー機等を用いる」等を違反行為の例にあげている。