変化は学びのチャンス
新年度が始まりました。慣れるまでは子供も親も教師も少し苦労があるものです。変化は学びのチャンスでもあります。良い学びにつながっていけば良いです。ただ変化が何かのトラブルにつながってしまうこともあるので、その点で注意が必要です。
マスクでコミュニケーションがとりにくい
この記事を書いている2022年4月初旬において、新型コロナウイルスの流行は都市部では第6波のピークを超えたと言われています。ただ地域によっては下がりきらず、そのまま第7波に突入するのではないかとも言われています。そういった状況で学校にマスク等に関する相談が入ることがあります。今回のテーマである「先生がマスクをしていると表情が読みにくいので、透明のフェイスシールドにしてほしい」ということもその1つです。
マスクをすることは、コロナの感染予防としてとても有効な方法だとされています。日本ではほとんどの人がマスクを付けています。ただ少し難しいことが、マスクをすることのマイナスの影響についてです。たとえば、マスクにより顔の表情全体を見ることができないのでコミュニケーションがとりにくい、表情が見えないことにより相手の気持ちを捉える能力の発達に問題が出るのでは、等のものです。そういったことが、今回のテーマである「先生がマスクをしていると表情が読みにくいので、透明のフェイスシールドにしてほしい」という相談につながります。
マスク代わりの「透明のフェイスシールド」に関してですが、現在の研究では感染予防については、効果が弱いとされています。空気が自由に動くことになり、ウイルスも動くこととなってしまいます。政府は不織布のマスクを推奨しています。感染予防のことを考えれば、「透明のフェイスシールド」ではなく、「不織布」のマスク等を付けることが妥当な方法となります。
ただ、特別な場合は「透明のフェイスシールド」を用いることもあります。それは聴覚障害の子供がいる場合の対応等です。テレビに出てくる手話通訳の方が「透明のフェイスシールド」を用いているのと同じ理由です。聴覚障害を持つ人は、聴覚での情報の少なさを視覚(口の形等)で補う場合が多いとされています。実際、私が働いている大学においても聴覚障害の学生が受講している授業では、合理的配慮として、「透明のフェイスシールド」を用いている場合もあります。
新型コロナウイルスの感染に関しては、感染の状況等によって対応のやり方が変わってきます。爆発的に増えてきてしまうと、それまでできていたことに制限がかかる場合もあります。医療現場も教育現場もこれまで体験したことのないものと対峙しています。これまでの2年間の経験をもとに、バランスを取りながら進んでいくことが大切でしょう。
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