信頼関係の有無で捉え方が変わる
新年度になりました。学校は色々な意味で一度リセットになります。このタイミングで、子供や保護者との関わり方をしっかりと考えたいものです。
教師と子供や保護者との関わり方が問題となることがあります。教師の不適切な発言、行動がきっかけとなり、トラブルとなります。教師と子供や保護者との関わりにおいて、適切と不適切の間に明確な基準はありません。ぶったり、蹴ったりという体罰や「死んでしまえ!」と言う暴言等が不適切に当たるのはすぐにわかります。「しっかりとやらないとダメじゃないか!」と声かけをする事や「頑張って」と肩を軽く叩くことは不適切なのか、適切なのかということは迷う部分でもあります。
こういった際に重要になってくるのが「信頼関係」です。教師と子供や保護者との間に信頼関係があれば、多くの場合は「激励」と受け取ってくれます。逆に信頼関係がないと「脅された」「強い口調で言われて学校が嫌になった」ということになりかねません。「信頼関係」を築くことで、適格、不適格の基準が変わってくるということになります。
今回のテーマにも書いた「先生に脅された」のようなことを保護者から言われた場合、それは信頼関係ができていなかったと捉える必要があります。先ほども書いた体罰や暴言はもちろん問題外です。体罰や暴言でない場合、教師は良いことだと思って、そのことをしているはずです。教師が良いことだと思ってやっているのに、苦情(クレーム、相談)が来るような場合、信頼関係を築くことができていない、教師の認識が間違っている等が考えられます。
クレームをチャンスに変える
保護者等から苦情(クレーム、相談)が来るような状況は、教師が自分の取組みや意識等を再点検する良いチャンスです。内容は今回扱った「先生に脅された」というものだけでなく、どのようなものでも同様です。まず、そういった状況になってしまったことを詫びる方が良いと私は思っています。教師は悪意を持って、そういったことをしている訳でないのだからすぐに詫びなくても良いのではという考え方もあります。私は子供が学校で教師が原因となって不快な思いをしてしまっている時点で詫びるべきだという考えです。
そのうえで、状況について子供や親から説明を聞くようにしたいです。相手の話をしっかり聞いたうえで、こちらの真意を伝えることも必要でしょう。子供や親と自分の認識の違いに気付くことができれば、問題の解決に繋がっていきます。やめた方が良いのが、こちらの主張(説明)ばかりすることです。こちらが正しいと考えていることをしたことで何らかの問題が発生しているのです。何度も、強く伝えたとしてもそれはすれ違いを生む可能性が高いでしょう。なかなかこちらの考えが伝わらないと感じる時はじっくりと聞いてみる方が良いかもしれません。
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