愛知県教育委員会は2021年11月8日、2030年代半ばまでを見据えた「県立高等学校再編将来構想(案)」を公表した。2023年度に稲沢・稲沢東・尾西の3高校、2025年度に津島北と海翔の2高校を統合。犬山南高校は「DX人材育成」と「起業家マインド育成」を柱とした新たなタイプの学校、御津高校は多様な生徒を受け入れるインクルーシブな学校を目指し、2023年度に校名変更する。 県立高等学校再編将来構想は、高校全日制課程への進学率の低下や県立高校における全県的な欠員の急増等、県立高校を取り巻く環境が大きく変化し、中学校卒業者数の減少が見込まれる厳しい状況を踏まえ、2030年代半ばを見据えた全県的な県立高校の魅力化・特色化、再編の将来的な取組みの方向をまとめたもの。構想の期間は、2022年度から2035年度まで。中学校卒業者数は、2022年度入学者選抜時と比べて、2035年度までに1万3,000人程度減少し、現在の7万人から5万7,000人程度になると見込まれている。 再編将来構想案によると、稲沢・一宮地区では稲沢高校、稲沢東高校、尾西高校を2023年度に統合し、稲沢高校の校地に農業科と普通科の生徒が相互に学ぶことができる新校を開校する。津島・弥富地区では、津島北高校と海翔高校を2025年度に統合し、普通科・商業科・福祉科を併置した新たな学校を津島北高校の校地に開校する。 犬山南高校は、「DX人材育成」と「起業家マインド育成」を柱とした、生徒の新たなチャレンジを全面的に支える学校を目指し、2023年度に校名変更、学科改編する。少人数教育を導入し、生徒の基礎・基本の定着や学び直しを支援。新たな学校の運営を支える民間企業、地元自治体との連携・外部委託を進める。 御津高校は、国際教養科の多様性を尊重する教育を継承し、外国にルーツのある生徒や特別な支援が必要な生徒等、多様な生徒を受け入れるインクルーシブな学校を目指し、2023年度に校名を変更し、学科を改編。日本語習得や不登校の状況に応じたきめ細かな指導を行うため、少人数教育を導入するとともに、全日制課程学年制から全日制単位制に改編し、昼間定時制課程を併置する。 愛知県教育委員会では、「県立高等学校再編将来構想(案)」について県民意見提出制度(パブリック・コメント制度)に基づき、県民からの意見を募集している。募集期間は12月7日まで(必着)。意見記入様式(Webサイトよりダウンロード可能)に必要事項を記入のうえ、郵送・FAX・メールで提出する。電話での提出は不可。「県立高等学校再編将来構想(案)」の概要および全文は、愛知県教育委員会Webサイトから閲覧(ダウンロード)できる他、県民相談・情報センター等でも公開している。