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ブラック校則見直しへ…神戸市教委がガイドライン策定

 神戸市教育委員会は、「学校生活のルールや決まり(校則等)に関するガイドライン」を策定した。女子はスカートといった性の多様性への配慮がないもの、靴下や肌着は白一色とする等の合理的な説明が難しい校則等について、全市立学校に年度内の見直しを求めている。

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 神戸市教育委員会は2021年6月16日、「学校生活のルールや決まり(校則等)に関するガイドライン」を策定したと発表した。女子はスカートといった性の多様性への配慮がないもの、靴下や肌着は白一色とする等の合理的な説明が難しい校則等を見直すべき内容として例示し、全市立学校に年度内の見直しを求めている。

 「学校生活のルールや決まり(校則等)に関するガイドライン」の対象となるのは、全市立学校(高等専門学校を除く)。学校生活のルールや決まり(校則等)について、「子どもの権利」を守る観点等に鑑み、ガイドラインで示す方針を踏まえて策定および運営を行う。

 基本的な方針には、「社会通念に照らして合理的とみられる範囲内で、学校や地域の実態に応じて適切に定める」「児童生徒の体力面や健康状態等個々の状況を踏まえ、画一的にならないものが望ましい」「絶えず見直す機会を設定する」の3点をあげている。「しつけや道徳、健康に関する細かな事項は、校則とするのではなく、学校の教育目標として位置付けた取組みや生徒の自主的な取組みとする視点も持つこと」とも示している。

 児童生徒の行動や服装等に一定の制限を課すような場合には、見直しの手順に基づき明文化しておく必要があるとし、具体的な見直し手順も記載。学校生活のルールや決まり(校則等)に関する検討を行う校内組織を設置し、組織的かつ計画的に毎年度見直す体制づくりを求めている。

 見直すべき内容の例には、「女子はスカートとする等、性別ごとに標準服を設定し、選択の余地がないもの」「男子は耳にかからない長さとする等、性別ごとに違った髪型の規定をしているもの」「マフラーやタイツの禁止等、体調維持に問題が生じるもの」「靴、靴下、肌着等は白一色とする等、色を過剰に限定するもの」等を記載。小学生らしい、中学生らしい等の抽象的な概念ではなく、現在の社会通念に照らして合理的な理由が説明できる内容でなければならないとし、「合理的な説明が難しいと思われる内容については積極的に見直しを行うこと」と明記している。

 2021年度の見直しの行程は、7月から2022年2月に見直し実施と結果公表(保護者へのお知らせ、学校Webサイト掲載)、2月に報告書作成・提出、3月にガイドライン検証とのスケジュールを記載。見直しの実施や公表は内容等に応じてできるものから速やかに行う。2022年度以降の工程では、4月から翌年2月を見直しの実施と結果公表時期としている。
《奥山直美》

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