熊本大学は、2022年度(令和4年度)の教育学部の推薦入試に地域枠を新設する。資質・能力の高い小学校教員を円滑に確保するため、熊本県採用の小学校教員を目指す県内高校の生徒を対象とする。小学校高学年の教科担任制導入を見据え、理数枠も新たに設ける。 熊本大学は、2019年度末に教員免許取得を必須としない2課程を廃止し、すべての課程を教員養成に特化。九州地区で唯一、義務教育に必要とされるすべての教員養成機能を有する教育学部として、他大学の教育学部にはない強みを生かし、新たな時代の教育の担い手となる優れた教員を養成することを目指し、2022年度に教育学部の改組を計画している。 現行の小学校教員養成課程・中学校教員養成課程・特別支援教育教員養成課程・養護教諭養成課程の4課程を学校教育教員養成課程に統合し、入学定員を230人から220人に変更。小学校教員養成と中学校教員養成は、初等・中等教育コースへ移行させる。 大学入学共通テストを課す学校推薦型選抜IIでは、小学校専攻に新たに地域枠と理数枠を新設する。募集人員は各10人。地域枠は、各地域の創生には資質・能力の高い小学校教員の円滑な確保が望まれること等を背景に実施する。 熊本県内の高校の生徒を対象とし、推薦できるのは1つの学校から1人のみ。将来、熊本県小学校教員として教職に就くことを強く希望し、過疎地域でも情熱をもって勤務できること等をおもな出願資格要件としている。入学後は、熊本県の学校教育の状況や県内各地域の小学校の魅力を伝える講義や教育実習等を履修することになる。 一方、理数枠は小学校高学年の教科担任制導入に対応するため、特に小学校の算数や理科に興味をもち、さらに専門性を高めたいという意思のある学生を確保することが目的。将来、小学校教員の中でも教科担任制における算数・理科の担当となることを強く希望すること等が出願要件となる。 出願資格の詳細については、今後公表予定の「令和4年度(2022年度)熊本大学入学者選抜要項」「学生募集要項」から確認できる。