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【クレーム対応Q&A】学校の熱中症対策に不安

 新型コロナウイルスの流行により日々の生活においてマスク着用が一般的なこととなりました。そういった状況で難しいことが、新型コロナウイルスへの感染防止と熱中症などの他のこととの兼ね合いです。今回は「学校の熱中症対策に不安がある」をテーマにしたいと思います。

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 学校に寄せられるさまざまなクレーム。保護者や地域からのクレームに先生はどのように対応するのが良いだろうか?クラス担任として豊富な経験がある鈴木邦明氏に、学校へ寄せられるさまざまなクレームに対応する際のポイントを聞いた。第38回は「学校の熱中症対策に不安がある」。

コロナ禍で学校の生活が激変


 2021年2月に大阪の小学校で体育の授業中に倒れた男児が死亡したという出来事がありました。持久走の学習中だったとのことです。新型コロナウイルスの流行により日々の生活においてマスク着用が一般的なこととなりました。そういった状況で難しいことが、新型コロナウイルスへの感染防止と熱中症などの他のこととの兼ね合いです。今回は「学校の熱中症対策に不安がある」をテーマにしたいと思います。

 新型コロナウイルスの流行によって学校での生活は随分と変わりました。たとえば、給食は以前であれば数人で班になって歓談をしながら食べることが一般的でした。それが、今は皆で前を向いて座り、黙って食べる(黙食)ようになっています。マスクを取って飲食をする際の感染のリスクが高くなるということを受けての対応です。

マスクを外すことに不安を抱く子供も


 他にも大きく気をつかうものが体育の授業や休み時間の遊びについてです。先ほど紹介した大阪の男児が死亡したということを受け、文科大臣が「体育授業においてマスク着用をやめるように」という発表をしました。ただ地域の感染状況にもよりますが、マスクを取ることに抵抗感のある子供がいることも事実です。先日、私が訪れた小学校での校長先生との話の中でも、子供はマスクを取りたがらないということが話題になりました。この1年以上、マスクをする生活が当たり前になっていることもあり、多くの人がいる状況でマスクを外すことに不安を抱く子供がいることへの配慮も必要です。無理やりマスクを外させるということは、対応として良くないやり方なので、マスクをする・しないに関しては子供の判断を優先すべきでしょう。

一定の間隔で水分補給する


 ところで、熱中症に関しては、以前から水分補給の重要性が指摘されています。暑い日が続くことやマスクをすることの多い状況においては、さらにその重要性が増すこととなります。具体的な対応としては、体育などの授業の際、一定の間隔で水分補給の休憩の時間を取ることが望ましいです。子供は夢中になると水分補給などをせずに活動をし続けてしまうことがあります。教師がタイムスケジュールを組み、15分に一回などの間隔で水分補給の休憩を子供に取らせることが大切です。

 また、取り組む種目への配慮も必要でしょう。体育ではマスクを外すことに不安を感じている子供がいることも踏まえ、持久走のような激しい運動はこの時期には避けていくことが望ましいでしょう。

 ワクチンの接種がかなり進み、集団免疫が作られるようになったり、治療薬が開発され、新型コロナウイルスに対する危険度が下がるようになったりしてくれば、状況が変わるのだろうと思います。そういった状況になれば、心配をせずに子供はマスクを外すことができるようになるのだと思います。そういった意味で、ワクチンも治療薬もまだ十分でないこの夏は、新型コロナウイルスへの感染や熱中症へのリスクが高いままということになります。学校が組織として適切な対応をすることで、子供の危険度を下げるようにしていきたいです。

鈴木 邦明(すずき くにあき)
平成7年 東京学芸大学教育学部 小学校教員養成課程理科専修卒業。平成29年 放送大学大学院文化科学研究科生活健康科学プログラム修了。神奈川県横浜市、埼玉県深谷市で計22年、小学校教諭として勤務。現場教員として子供たちの指導に従事する傍ら、幼保小連携や実践教育をテーマとする研究論文を多数発表している。こども環境学会、日本子ども学会など、多くの活動にも関わる。平成29年4月からは小田原短期大学特任講師、平成30年4月からは帝京平成大学講師として、子供の未来を支える小学校教諭、幼稚園教諭、保育士などの育成や指導に携わる。近著に「オンライン、ソーシャルディスタンスでできる 学級あそび&授業アイスブレイク」(明治図書)がある。
《鈴木邦明》

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