公立大学協会は2021年5月17日、大学入学共通テストにかかる財政措置に関する要望書を文部科学省に提出した。成績提供手数料の値上げは、コロナ禍で不安定な状況が続く大学の財政基盤に打撃を与える可能性があるとして、国が財政的な措置を果たすよう求めている。 大学入学共通テスト(以下、共通テスト)をめぐっては、現状の財政構造のままでは継続的・安定的実施が困難であることが、大学入試センターのワーキングチームによる議論のまとめで明らかにされ、成績提供手数料の大幅な値上げが提案されている。 公立大学協会は要望書の中で、障害をもつ学生への対応、受験生の経済的負担格差の是正等、共通テストが果たす役割に触れ、「受益者は実際の受験者と大学だけにとどまらず、少子化社会において高等教育を受ける機会を提供する社会全体」と指摘。「大学入試センターが関係法令の趣旨に即して適正な試験を安定的に実施していくために、国として財政的な措置を確実に果たすこと」を要望している。 5月17日に公立大学協会関係者が、文部科学省高等教育企画課高等教育政策室を訪問し、要望書を手交。新型コロナウイルス感染症拡大による予測がつかない不安定な状況が続く中、共通テストの成績提供手数料の大幅な値上げが大学の財政基盤に打撃を与える可能性があることを説明した。