政府の有識者会議は2020年12月22日、提言を取りまとめ公表した。最短で2022年度から地方国立大学の特例的な定員増が可能となるのにあたり、「地方創生に資する」プランに限定した特例であるべきとするとともに、質の高い研究・教育に必要な経常的な支援を求めた。 「地方創生に資する魅力ある地方大学の実現に向けた検討会議」は、地方大学が目指すべき方向性と国の対応について、2020年9月から12月にかけて計7回の検討会議を実施し、議論を重ねてきた。なお、検討会議における「地方大学」とは、東京圏以外に所在し、地方創生への貢献をミッションとする大学を指す。 提言では、地方大学が目指すべき方向性として「ニーズオリエンテッドな大学改革」「地域でのプレゼンスの発揮」「大学改革を実現するためのガバナンス改革」をあげた。 地方国立大学の特例的な定員増については、最短で2022年度から可能となるよう、今後、具体的な要件などについて中央教育審議会を中心に議論が進められることになる。その議論にあたり、「定員増を行おうとする大学のプランが『地方創生に資するものである』ことが前提であることを決して忘れてはならない」と強調。「18歳人口減の傾向も踏まえると、地方国立大学における定員増は極めて限定的な場合に限られるべきであり、特例として認められるものに相応しいプランに基づくものでなければならない」とも指摘した。 定員増を伴う改革については、従来の運営費交付金とは切り分けて、質の高い研究・教育に必要となる経常的な支援を行うべきと提言。また、大学に対して定員増に関わるミッションや5年程度の目標を設定させ、中長期的に大きな裁量権を与えるとともに、結果責任を問うような包括的で結果管理型の契約的な考え方を取り入れるべきとした。