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高校の普通科改革、新たな学科設置を検討…文科省

 文部科学省は、高校の普通科改革として「普通教育を主とする学科」の弾力化・大綱化を進めようとしている。約7割の高校生が通う「普通科」について、新たな学科として「学際科学的な学びに重点的に取り組む学科」などの設置を目指している。

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 文部科学省は、高校の普通科改革として「普通教育を主とする学科」の弾力化・大綱化を進めようとしている。約7割の高校生が通う「普通科」について、新たな学科として「学際科学的な学びに重点的に取り組む学科」などの設置を目指している。

 現行法令上、「普通教育を主とする学科」は普通科のみとされているが、文部科学省では先進的な特色・魅力ある取組みが行われていることを可視化し、積極的に推進する観点から、普通科以外の学科名を称することができるよう、「普通教育を主とする学科」の種類を弾力化・大綱化したい考え。

 新たな学科は、特定の専門的な分野や職業分野に関する知識および技能の習得が目的ではなく、「普通教育を主とする学科」のひとつとして設置される。2020年8月19日開催の第10回「新しい時代の高等学校教育の在り方ワーキンググループ」では、具体的な制度設計に係る論点として、「普通教育を主とする学科」のうち普通科以外の各学科を「学際科学的な学びに重点的に取り組む学科」「地域社会が抱える課題の解決に向けた学びに重点的に取り組む学科」「その他特色・魅力ある教育を実現すると認められる学科」と整理している。

 想定される各学科の特色については、「学際科学的な学びに重点的に取り組む学科」は現代的な諸課題のうち特にSDGsやSociety5.0をはじめとした、これまでの学問領域・分野では対応できないような現代社会が抱える複合的かつトランス・ナショナルな課題に対応する新たな学問領域や学際的・複合的な学問に即し、最先端の学びに取り組む。「地域社会が抱える課題の解決に向けた学びに重点的に取り組む学科」では、地域における人材育成の中心的機関として、地域社会に根差し、地域課題に対応した学びに取り組む。

 新時代に対応した高等学校教育の在り方に関しては、8月20日開催の第12回「新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会」においても、中間まとめ骨子案に盛り込んでいる。「その他特色・魅力ある教育を実現すると認められる学科」については、「各学校の要件設定や、当該学科ならではの学びを柔軟な形で実現できるようにするための制度的な措置について検討が必要」としている。
《奥山直美》

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