財務省は2026年10月22日、財政制度等審議会の財政制度分科会で、国立大学の授業料標準額を物価・賃金動向に応じて毎年度見直す仕組みを提案した。2028年度からの次期中期目標・計画期間に向け、教育研究費や人件費の上昇に対応するためとしている。
国立大学の授業料などは、文部科学省令で標準額が定められている。学部・大学院(法科大学院を除く)の授業料標準額は年額53万5,800円で、各国立大学法人は標準額の120%を上限に授業料を設定できる。財務省の資料によると、2026年度に標準額を上回る授業料を設定している国立大学は、85大学中11大学で、約13%にとどまる。
授業料標準額は、2000年代半ばまでは消費者物価の動きとも整合的に引き上げられてきたが、国立大学法人化後の2005年度以降は据え置かれている。財務省は、私立大学とは異なり物価上昇に対応できておらず、デフレ期の価格設定が継続していると指摘した。
そのうえで、物価が安定的・継続的に上昇する中、教育研究費や人件費の上昇に対応するため、授業料標準額を物価・賃金動向に応じて毎年度見直す仕組みとすべきではないかと提起。低所得世帯などに対しては、2020年度からの修学支援新制度により、授業料の減免および給付型奨学金の支給を実施していることを付記した。
また、国立大学法人に対する公的支出について、運営費交付金と各種補助金などを合わせた2025年度の支出額は1兆5,471億円で、法人化以降で最大規模となったと説明。2027年度概算要求では、運営費交付金について物価・賃金上昇分などを含む前年度比1,554億円の増額要求があるとし、予算編成過程で大学改革や研究力向上につながるよう、メリハリ付けを徹底すべきとした。
詳細は、財務省Webサイトで公開している、10月22日開催の財政制度分科会の配付資料「文教・科学技術」から確認できる。








