関芳弘文部科学大臣は2026年9月29日の記者会見で、「AI for Science革新的研究推進事業(ARiSE)」の採択課題31件を決定したと発表した。AIを活用した研究の推進に加え、ノーベル賞受賞者発表への期待や基礎研究への支援方策、東京大学の次期総長選考への受け止めを述べた。
ARiSEは、AI for Scienceにおいて世界を先導する科学研究成果の創出や、世界トップレベルの研究機関・研究者との戦略的な国際連携などを推進するフラッグシッププログラム。関大臣は、日本の強みを最大限に生かし、重点分野への集中投資となるような課題が採択されたと説明した。
具体例として、新素材の開発速度を10倍にすることを目指すマテリアルAI基盤構築や、生物のゲノム情報データなどを統合し、創薬などの開発を加速するゲノム言語モデル構築のプロジェクト、国内11の放射光施設で測定・解析の自動・自律化を目指すプロジェクトなどを紹介した。
あらゆる分野でAI for Scienceの拡大を図る「AI for Science萌芽的挑戦研究創出事業(SPReAD)」とARiSEを両輪として進め、日本がAI for Scienceの先進国としての地位を築くことを目指す。2027年度の概算要求には、両事業の拡充を盛り込んでいるという。
また、翌週から始まるノーベル賞受賞者発表については、日本の優れた研究者が世界的な評価を受けることは国の誇りであり、国民の励みにもなると説明。前年に続き、日本の受賞者が発表されることに強い期待を示した。
基礎研究については、人類の発展の基盤となる貴重な知的資産を創造し、イノベーションの源泉を生み出すものであるとし、基礎研究力の向上は喫緊の課題と述べた。文科省の支援方策としては、科学研究費助成事業(科研費)などの競争的研究費の充実、国立大学法人運営費交付金の拡充、世界トップレベルの研究者が集まる国際的な研究拠点の形成をあげた。
9月28日に行われた東京大学の次期総長選考については、その結果を承知しているとした。そのうえで、総長選考・監察会議が判断の理由を学内にしっかりと説明する必要があると指摘。選考理由および選考過程の説明を通じて説明責任を果たすことを重視し、今後の対応を注視する考えを示した。







