広島県教育委員会は2026年(令和8年)5月15日、「今後の県立高等学校の在り方に係る実施計画」を策定・公表した。少子化の加速を背景に、2026年度から2033年度までの8年間で統合対象となる県立高校16校が7校へと再編される。計画の推進にあたっては、2040年(令和22年)を見据えて改革を進め、状況の変化等に応じて進捗状況を検証し、必要に応じて見直しを行うとしている。
本計画は、2024年(令和6年)3月に策定された上位計画「今後の県立高等学校の在り方に係る基本計画(第2期)」の理念を具体化するために策定されたもの。また、2026年2月13日に文部科学省で策定された「高校教育改革に関する基本方針(グランドデザイン)~2040年に向けた「N-E.X.T(ネクスト)ハイスクール構想~」も踏まえており、国の動きとも連動している。
高校数は9校減少へ
背景には広島県における深刻な少子化がある。中学校3年生在籍者数は、昭和63年度の第2次ベビーブームのピーク(4万8,780人)から減少し続け、令和5年度にはピーク時の約半数(2万5,234人)となっている。今後も減少は続き、本計画の最終年度の令和15年度には、ピーク時の約4割(2万1,077人)となる見込みだ。
実施計画では統合対象となる16校※が7校へと再編され、9校減少することとなる。以下、各統合の詳細を見ていく。なお校名や施設・設備等については、いずれも地元自治体の意向を踏まえて検討するとされ、現時点では「未定」である。 ※福山誠之館と福山葦陽については、全日制はそのまま存続するため統合学校数は16校
1)呉工業+呉商業 → 総合型高等学校
校地を呉商業高等学校とし、全日制に機械科・材料工学科(40人)、電気科・電子機械科(40人)、情報ビジネス科(80人)を置き、1学年4学級・入学定員160人とする。定時制(夜)は機械科・電気科(1学級)、キャリアデザイン科(1学級)の2学級とする。2025年度の入学者は、呉工業・全日制が85人(3学級)、呉工業・定時制が14人(2学級)、呉商業の全日制が入学者125人(4学級)であった。
2)海田+安芸南 → 新しい普通科・生活共創科
校地を海田高等学校とし、全日制に新しい普通科(仮称)240人と生活共創科(仮称)80人を置き、1学年8学級・入学定員320人とする。2025年度の入学者は、海田254人(7学級)、安芸南200人(5学級)だった。
3)竹原+忠海 → 新しい普通科
校地を竹原高等学校とし、全日制に新しい普通科(仮称)を置き、1学年3学級・入学定員120人とする。2025年度の入学者は竹原47人、忠海61人で、いずれも1学年2学級だった。
4)三原+三原東 → 新しい普通科・普通科
校地を三原高等学校とし、全日制に新しい普通科(仮称)160人(4学級)、フレックス制(昼)普通科1学級、フレックス制(夜)普通科1学級を置く。2025年度の入学者は三原・全日制160人(4学級)、三原・定時制普通科午前29人(1学級)、普通科・夜間15人(1学級)、三原東35人(2学級)だった。
5)賀茂+河内 → 新しい普通科・普通科
本校を賀茂高等学校とし、全日制に新しい普通科(仮称)240人(6学級)、フレックス制(夜)普通科1学級を置く。加えて河内高等学校を「フレックス・キャンパス(仮称)」として残し、フレックス制(昼)普通科1学級を設ける。2025年度の入学者は賀茂・全日制240人(6学級)、賀茂・定時制25人(1学級)、河内40人(2学級)だった。
6)高陽+安西+高陽東 → 総合学科
3校を1校に統合する大型再編である。校地を高陽高等学校とし、全日制に総合学科を置き、1学年7学級・入学定員280人とする。2025年度の入学者は、高陽240人(6学級)、安西52人(2学級)、高陽東240人(6学級)だった。
7)松永+沼南+福山誠之館(定時制)+福山葦陽(定時制)+東(通信制) → 総合学科
5つの学校・課程を集約するもっとも複合的な統合。校地を松永高等学校とし、フレキシブル課程として、全日制・総合学科160人(4学級)、定時制・総合学科80人(2学級)、通信制・総合学科300人を置く。松永・沼南・福山誠之館(定)・福山葦陽(定)・東の各校の教育内容を引き継ぎ、全日制・定時制・通信制の3課程を併置・連携させ、生徒が学ぶ方法・時間・場所を柔軟に調整できる課程とする。2025年度の入学者は、松永103人(4学級)、沼南28人(2学級)、福山誠之館8人(1学級)、福山葦陽21人(1学級)、東159人だった。
統合以外の10校では「学科改編」
統合とは別に、10校で特色ある学科への改編や新設が予定されている。おもなものは以下のとおり。
・庄原実業:「生物生産学科」を「先端生産創造科(仮称)」へ改編
・広島工業:「ロボット工学科(仮称)」を新設
・福山工業:「電子機械化」を「ロボット工学科(仮称)」へ改編
・宮島工業:「建築科・インテリア科」を「デザイン工学科(仮称)」へ改編
・海田※:「家政科」を「生活共創科(仮称)」へ改編 ※海田+安芸南統合後。両校の普通科も「新しい普通科」として再編予定
・総合技術:「情報技術科」を「情報科学科(仮称)」へ改編
・広島国泰寺:「普通科(理数コース)」を「サイエンス科(仮称)」へ改編
・広島皆実:「体育科」を「スポーツ科学科(仮称)」へ改編
・神辺旭:「体育科」を「スポーツ科学科(仮称)」へ改編
・吉田:「探究科・アグリビジネス科」を「総合学科」へ改編
なお、統合による再編は2029年~2033年(令和11~15年)度に、学科改編は2028~2031年(令和10~13年)度にかけて順次実施される。














