ノートルダム清心学園は2025年10月8日、岡山県倉敷市の清心中学校・清心女子高等学校を2027年度(令和9年度)から男女共学とする方針を発表した。学園理事会の決定を受けて、中学校・高等学校のそれぞれで2027年度の入学生から共学化を開始し、学年ごとに段階的に共学化を進める。それにともない、校名は「清心中学校」「清心高等学校」と改める。
清心中学校・清心女子高等学校は、前身の「私立岡山女学校」として1886年に創立され、以来140年にわたり女子教育に力を注いできた。女子の教育機会が十分でなかった時代に、社会に貢献できる女性を育てることを使命として歩んできたが、現代では男女ともに教育の機会が等しく保障されるようになったことを踏まえ、今後は「真の男女共同参画社会」を見据えた教育へと舵を切る。
学園は共学化の目的について、「清心のミッションスクールとしての教育をすべての中学生・高校生に提供することが新たな使命である」と説明している。男女が共に学ぶことで、互いを尊重し、多様な価値観や考え方を理解しあう機会が生まれ、「心を清くし 愛の人であれ」という建学の精神を実践する場にもなるとしている。
同校はこれまで、カトリック精神に基づく人格教育を中心に据え、探究学習や国際理解教育に力を入れてきた。また、全国の女子校で唯一、4期連続で文部科学省スーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定されており、理系分野での教育実績も定評がある。学園は、長い歴史の中で守り続けてきた教えと精神を次世代に引き継ぎ、より多くの若者に広めたいとしており、共学化を新たな出発点として、時代の変化に応じた教育環境づくりを進める考えを示している。
2027年度の入学者募集に関する詳細は、今後学校公式Webサイトなどで案内される予定。