中央教育審議会の質向上・質保証システム部会は2025年10月8日、学士・修士5年一貫制度案を公表した。学士課程と修士課程を5年一貫で修了できる大学を大幅に拡充するため、大学院設置基準などの改正を経て、2026年度からの運用開始を目指す。
質向上・質保証システム部会は、大学分科会において専門的な調査審議を行う部会の1つ。10月8日の第5回会議で、学士・修士5年一貫教育を制度化する案を示した。
現行制度では、学士・修士課程の履修には、学部4年と修士2年の6年間かかるが、特例による学部の早期卒業(学部3年+修士2年)、優れた業績による大学院の早期修了(学部4年+修士1年)など、各大学の判断により、5年間での履修を可能にしている例がある。
今回、優秀な学生が学士・修士課程を5年間で履修できる大学を大幅に拡充するため、制度改善について検討。大学設置基準や大学院設置基準などの改正により、学部4年と修士1年の5年間での一貫教育を可能とし、2026年度からの導入を目指す。
改正後のイメージによると、修士課程の修業年限の短縮のほか、先取り履修に基づく在学期間の短縮も想定している。質の確保を制度的に担保したうえで5年間の履修を可能とするため、適切な学修時間の確保や教育課程の体系性などについて文部科学大臣の認定を受け、修業年限や在学期間の短縮を認める方向性を示している。
学士・修士5年一貫教育は、慶應義塾大学や一橋大学などがすでに導入。東京大学でも2027年秋、学士+修士5年制プログラム「UTokyo College of Design」の創設を予定している。