科学技術振興機構(JST)は2025年9月30日、「グローバル卓越人材招へい研究大学強化事業(EXPERT-J)」において、採択大学を決定したと発表した。採択大学は、東京大学や名古屋大学、北海道大学など11校。
同事業は、2025年6月13日に内閣府が取りまとめた“J-RISE Initiative”の実現に向けた緊急的な施策として、大学ファンドの運用益を活用し実施するものである。おもに、海外で活躍する優秀な若手研究者を日本のトップレベルの大学に招へいまたは受け入れ、日本の研究力を強化することを目的としている。
今回、募集開始時点で文部科学省より国際卓越研究大学の認可・認定を受けていない国公私立大学を対象に、2025年7月18日~8月18日に募集した。13校からの応募があり、外部専門家で構成された委員会による審査を経て11校が選ばれた。
採択大学は、沖縄科学技術大学院大学、金沢大学、九州大学、京都大学、神戸大学、筑波大学、東京科学大学、東京大学、名古屋大学、広島大学、北海道大学の11校。
なお、今回の募集は緊急的取組みであるため、2025年中の招へい・受け入れを優先的に助成する。選ばれた大学は、世界水準の処遇や研究環境を若手研究者に提供し、優秀な人材の定着を目指す。同事業は、長期間にわたる戦略的な国際連携と、重要技術分野における研究力の向上を目指すものであり、支援実施期間は2025年10月から3年間を予定している。
◆グローバル卓越人材招へい研究大学強化事業 採択大学・事業統括一覧(大学名五十音順)
- 沖縄科学技術大学院大学(構想の題目:RISE@OIST - Researcher Integration and Support for Excellence)
- 金沢大学(構想の題目:知の還流が牽引する世界的融合研究拠点形成)
- 九州大学(構想の題目:九州大学次世代グローバルトップスター発掘/育成/定着スキーム)
- 京都大学(構想の題目:グローバル卓越人材の結節と大学改革による知の循環共創拠点形成)
- 神戸大学(構想の題目:グローバル・イノベーション・キャンパスに向けたグローバル卓越テニュアトラック教員制度による優秀若手研究者の集積・育成)
- 筑波大学(構想の題目:つくば研究教育共創体を基盤とした筑波大学高等研究院による国際頭脳循環拠点形成)
- 東京科学大学(構想の題目:Visionary Initiative 強化のための海外若手研究者招へいと研究力向上戦略)
- 東京大学(構想の題目:Excellence Program for Engaging Research Talent into UTokyo-GRI (Global Research Integration))
- 名古屋大学(構想の題目:NU Nexus グローバル頭脳循環研究強化事業)
- 広島大学(構想の題目:次代を担う国際若手研究者と共創する「新しい平和科学」研究拠点の構築)
- 北海道大学(構想の題目:強みである半導体・ライフサイエンス分野での世界トップレベルの国際頭脳循環エコシステムの構築)