ヤマップは2025年9月18日、日本全国の流域を網羅した3Dデジタル地図の「YAMAP流域地図」において、「小学校」「自然災害伝承碑」「名水百選」を表示する機能を追加したと発表した。これにより、子供たちが流域圏を直感的に理解し、学校のカリキュラムで地理や理科の学習に活用できるようになる。
YAMAP流域地図は、慶應義塾大学の岸由二名誉教授の「流域思考」に基づいて作成されており、子供たちの教育に新たな視点を提供する。また、自然災害伝承碑の表示は、防災意識を高め、住民が過去の災害の教訓を学ぶ手がかりとなる。
岸由二先生は、「いま日本の子どもたちは、4年生で雨の水のゆくえ、5年生で川の水の流れの学習をします。しかし、校庭に降った雨水が集まる地形、雨を集めて川の流れに変える地形、『流域』という地形については学びません。その学びを自在に進める手掛かりが今回の地図。学校に降った雨がどんな川にながれこむのか。その川の全水系に雨が集まる大地(流域)はどのような広がりなのか、一目でわかる地図の登場。日本列島の大地から、地球とつながる地球人の育つ学習が、はじまります。」とメッセージを寄せている。
さらに、名水百選を表示することにより、地域の水環境の価値や意味が広く認識されることを目指している。将来的には地球環境全体の理解を深める「いのちの地図」へ進化することを目指している。
ヤマップは、スマートフォンで登山ルートを確認できる登山・アウトドアプラットフォームを運営し、2025年8月にはダウンロード数が520万を突破した。流域地図の活用についても、教育や防災において新たな可能性を模索している。教育関係者や自治体、不動産業界からの連携や問合せを受け付けている。