過去10年間で高校生の英検受験者数は約1.8倍に増加し、2024年度には133万1,710人に達したことが、日本英語検定協会の「統合報告書2025」より明らかになった。特に2級と準1級の受験者数が大幅に増加しており、2級受験者は64万4,768人(10年前の約2.7倍)、準1級受験者は19万8,863人(同約8倍)となっている。
日本英語検定協会は2025年7月1日、「統合報告書2025」を公開し、同報告書の第5弾として「データで見る英検~小・中・高校生の英語力向上の状況~高校生」を紹介している。
文部科学省が掲げる「第4期教育振興基本計画」(令和5~9年度)に基づく改革が、CEFR A2・B1レベルの到達者増加に寄与している。CEFRの観点で4技能全体の推移を見ると、A1レベル(3級相当)はほとんど変化がないが、A2レベル(準2級相当)とB1レベル(2級相当)は顕著に上昇している。これにより、学習者全体のレベルがA1からA2、さらにB1へと着実に向上していることが示されている。
さらに、技能別に見てもすべての技能でCEFRレベルが平均して上昇しており、4技能をバランスよく伸ばしている傾向が鮮明となった。これも、文部科学省の施策が全国規模で奏功している裏付けと言える。
日本英語検定協会は、これらのデータを基に、全国的に推進されてきた英語教育改革の成果が上がり始めていると分析している。