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避難所となる公立学校の防災機能…冷房85.5%、断水時トイレ75.1%

 文部科学省は2025年6月25日、「避難所となる公立学校施設の防災機能に関する調査」の結果を公表した。避難所に指定された公立学校で確保している割合は、飲料水83.4%、冷房機器85.5%、入浴・洗濯等生活用水36.7%、断水時のトイレ75.1%など。

教育行政 文部科学省
避難所に指定されている学校数
  • 避難所に指定されている学校数
  • 避難所に指定されている学校の防災機能設備等の確保状況
  • 避難所に指定されている学校の防災機能設備等の確保状況(参考)

 文部科学省は2025年6月25日、「避難所となる公立学校施設の防災機能に関する調査」の結果を公表した。避難所に指定された公立学校で確保している割合は、飲料水83.4%、冷房機器85.5%、入浴・洗濯等生活用水36.7%、断水時のトイレ75.1%など。

 文部科学省では、学校施設における防災機能の向上の観点から、避難所となる全国の公立学校の防災機能設備の保有状況などについて調査を実施している。今回、全国の公立の小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校を対象に調査を行い、2024年11月1日現在の状況をまとめた。

 全国の公立学校3万2,186校のうち、避難所に指定されている学校は91.7%にあたる2万9,529校。避難所に指定されている学校のうち、学校施設の利用計画を策定している学校は70.5%だった。

 避難所に指定されている学校のうち、各防災機能を確保している割合についてみると「冷房機器」が85.5%で、前回調査時(2022年12月1日時点)の64.9%より20.6ポイント増と大幅に増加。また「暖房機器」も86.3%(同7ポイント増)と増えている。

 ほかに、「非常用発電機など」が77.2%(同4ポイント増)、「飲料水の確保対策」が83.4%(同2.6ポイント増)、「ガス設備」78.2%(同4.9ポイント増)、「通信設備」85.3%(同2.4ポイント増)、「断水時のトイレ対策」75.1%(同1.5ポイント増)、「入浴・洗濯など生活用水」36.7%となり、前回に引き続き調査したすべての項目で、上回ったことがわかった。

 ただし、「冷房機器」の確保状況は大幅に改善されたものの、別の調査(公立学校の体育館等における空調<冷房>設備の設置状況に係る調査)では2025年5月1日現在、公立小中学校における体育館等への冷房の設置は約2割にとどまっている。今回の調査では、災害時に避難者が滞在することを想定している部屋等(体育館のほか、会議室や教室等を含む)のうち1部屋以上、利用可能な冷房機器を保有している部屋があれば保有しているものと取り扱っているためと考えられ、災害時におもな避難先となる体育館への設置を、引き続き推進していく必要があるという。

 文部科学省では、今回の調査結果などを踏まえ「学校施設の防災機能の強化を一層推進するよう通知するとともに、学校施設の防災機能の強化に資する整備に対して財政的な支援を行うなど、取組みを支援していく」としている。

《木村 薫》

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