全国の公立小中学校の体育館等の空調(冷房)設備設置率は22.7%であることが、文部科学省が2025年6月23日に公表した調査結果より明らかになった。前回調査時(2024年9月1日時点)の18.9%から3.8ポイント増加している。
調査は2025年5月1日現在、全国の小学校、中学校、特別支援学校を対象に行ったもの。義務教育学校、中等教育学校も該当する校種に含む。小学校、特別支援学校においては「体育館」、中学校においては「体育館・武道場」の空調(冷房)設備の設置状況を都道府県別に調査している。
調査結果によると、公立小中学校の体育館等の空調(冷房)設備設置率は22.7%で、前回調査時より3.8ポイント増となった。学校別にみると、小学校は22.0%、中学校は23.7%。このうち、避難所指定校における設置率は、小中学校で23.7%、小学校22.5%、中学校25.4%となった。
都道府県別にみると、小中学校の体育館等における空調設備設置率がもっとも高いのは「東京都」92.5%。ついで、「大阪府」49.2%、「山形県」43.4%、「兵庫県」42.3%、「愛知県」30.6%、「埼玉県」29.9%、「奈良県」28.1%、「栃木県」27.9%、「千葉県」27.3%など。設置が25%以上進んでいるのは、9都府県だった。
一方、設置が進んでいないのは、「岩手県」0.8%、「佐賀県」0.8%、「長崎県」1.2%、「鹿児島県」2.0%、「沖縄県」2.1%、「秋田県」2.5%、「福井県」2.6%など。
特別支援学校では、設置率が全体で51.0%と半数を超えており、前回調査時より10.2ポイント増と整備が急速に勧められている。「山形県」「栃木県」「福井県」「山梨県」「三重県」「島根県」「香川県」「愛媛県」の8県では設置率100%となっており、さらに避難所指定校に限定してみると、「青森県」「宮城県」「東京都」「鳥取県」「山口県」「宮崎県」も100%設置が完了している。
体育館等の空調設置については、猛暑の深刻化による児童生徒の安全確保の観点と、災害時の避難所としての安全確保の観点から、整備が急ぎ進められている。文部科学省では、2035年度までに公立小中学校の体育館等の空調設置率を95%にする目標を掲げており、整備を後押しするべく空調設備整備臨時特例交付金を計上。対象となる工事費の下限400万円~上限7,000万円のうち、2分の1を補助する。補助時限は2033年度(令和15年度)まで。文科省では、引き続き必要な経費の確保に努めるとともに、各地方公共団体からの相談に応じて技術的な支援などを行うとしている。