創朋は、教育機関の管理職およびIT担当者を対象に「個人情報保護法改正後の教育機関におけるデータ管理の実態調査」を実施した。この調査により、2024年の個人情報保護法改正後、教育機関における個人情報管理の意識が高まったことが明らかになった。
近年、個人情報の取扱いに対する社会的な関心が高まる中、教育機関もその対応を迫られている。特に、2024年4月の個人情報保護法の改正により、学校や大学などの教育機関におけるデータ管理の在り方も大きく変わりつつある。教育現場では、生徒や保護者の個人情報だけでなく、職員の情報や研究データなど、多岐にわたる重要データを扱っている。しかし、適切な管理や確実な消去がなされていないケースがあるのではないかという懸念も指摘されている。
教育機関の管理職およびIT担当者193人を対象に行った調査結果によれば、担当者の8割以上が、2024年の個人情報保護法改正により、学校における個人情報管理の意識が高まったと感じている。具体的には、「やや高まった」が43.5%、「非常に高まった」が38.4%で、合計すると80%を超える結果となった。
また、2024年の個人情報保護法改正の後、8割弱の学校でデータ管理体制の見直しが行われたことが明らかになった。具体的な施策としては、1位が「職員向けのデータ管理研修の実施」49.7%、2位が「アクセス制限の強化やログ管理の徹底」41.5%、3位が「データ管理の明確なガイドラインの策定」36.7%となっている。
しかし、データ管理に関して直面している課題も多い。おもな課題としては、「教職員への情報共有ができていないこと」や「データ管理に関する知識が追いつかないこと」があげられた。さらに、現在、多くの学校で不要になった個人情報は「PCなどで手動で消去している」ことがわかった。
今後、データ管理や消去に関して強化したい点としては、教職員への研修、データ管理の明確なガイドライン策定、HDD/SSDの物理破壊装置やデータ消去装置の導入があげられている。これらの結果から、教育機関における個人情報管理の意識向上とともに、具体的なデータ管理体制の強化が求められていることがうかがえる。