文部科学省は2025年2月27日、公立大学および私立大学の共同利用・共同研究拠点の期末評価結果(2024年度実施)を公表した。2019年度に認定した10拠点の期末評価の結果、大阪公立大学が最高評価のS評価を獲得。そのほか、5拠点がA評価、4拠点がB評価と判定された。
文部科学省は2008年より国公私立大学を通じたシステムとして、共同利用・共同研究拠点の認定制度を設置。2024年10月現在、共同利用・共同研究拠点として国立大学65拠点、公立大学12拠点、私立大学16拠点を、国際共同利用・共同研究拠点として国立大学6拠点、私立大学1拠点を認定している。
今回、2019年度に認定した10拠点を対象に、科学技術・学術審議会のもとに設置した作業部会および専門委員会において、各拠点の分野に精通した専門家からの評価意見も参考にしつつ、書面評価およびヒアリング評価を実施。期末評価結果として決定し、公表した。
評価結果は、大阪公立大学(数学研究所)の数学・理論物理の協働・共創による新たな国際的研究・教育拠点が、最高評価のS評価を獲得。拠点としての活動が活発に行われており、共同利用・共同研究を通じて特筆すべき成果や効果がみられ、関連コミュニティへの貢献も多大であったと評価された。特に、外国人研究者を含む共同研究者の受入数の増加や、国際誌への論文発表などの研究成果創出、独自制度による若手研究者の育成への貢献といった点で高く評価され、拠点の当初目的を着実に達成していると判断された。
このほか、会津大学(宇宙情報科学研究センター)、東京農業大学(生物資源ゲノム解析センター)、法政大学(野上記念法政大学能楽研究所)、東京工芸大学(風工学研究センター)、大阪商業大学(JGSS研究センター)の5拠点が、拠点としての活動は概ね順調に行われているとして「A評価」を獲得。関連コミュニティへの貢献もあり、今後も、共同利用・共同研究拠点を通じた成果や効果が期待される。
和歌山県立医科大学(みらい医療推進センター)、立命館大学(アート・リサーチセンター)、京都芸術大学(舞台芸術研究センター)、関西大学(ソシオネットワーク戦略研究機構)の4拠点は、拠点としての活動は行われているものの低調であるとして「B評価」にとどまり、作業部会からの助言や関連コミュニティからの意見等を踏まえた適切な取組みが必要と判断された。B評価で次期認定を希望している拠点については、専門委員会において合議により認定更新の可否を判断するとしている。
共同利用・共同研究拠点の期末評価結果については、10拠点すべて文部科学省のWebサイトに掲載。評価に至った理由なども見ることができる。