みんなのコードは、「プログルラボ みんなで生成AIコース」(以下、みんなで生成AIコース)を2025年度も全国の小中高に無償で提供することを発表した。このプロジェクトはセールスフォース・ジャパンの支援を受け、生成AIの適切な利用促進と安全な活用環境の整備を目指している。
情報技術の進化は急速であり、特に生成AIツールへの注目が高まっている。教育現場もこの変化に対応する必要があり、みんなのコードは生成AIを授業に取り入れることで、子供たちの可能性を広げることを目的としている。2025年度も「みんなで生成AIプロジェクト」を全国の希望するすべての小中高に無償で提供し、無償提供期間は2026年3月31日までとなっている。
「みんなで生成AIコース」は2023年12月にβ版がリリースされ、多くの先生や生徒に利用されている。2024年11月24日には累計メッセージ数が100万件を突破し、2025年1月までに128万件に達した。特に小学校では、生徒1人あたりのプロンプト数が平均37.31回と、中学生や高校生を上回っている。
累計利用者数は3万6,422名にのぼり、利用学校数も増加している。先生からは「子供たちだけでは思いつかないアイディアを短時間で示してくれる」との声があり、生成AIが生徒の発想を広げる助けとなっている。また、生成AIとのやり取りが、普段は話し合いに参加できない生徒の助けになるとの意見もある。
児童・生徒からは、AIの扱いの難しさやミスの可能性を理解できたとの声があり、生成AIの実際の利用を通じて学びを深めている。小学校6年生は「正しい使い方を学ばないといけない」と述べ、生成AIの便利さとともにその責任を感じている。
セールスフォース・ジャパンの遠藤理恵氏は、「1-1-1モデル」を通じて質の高い教育へのアクセスを広げることを目指しており、生成AIが教育現場で信頼性高く活用されるよう支援していくと述べた。みんなのコード代表の利根川裕太氏は、地域や学校の状況に関係なく、すべての児童・生徒が生成AIを学べる環境を実現したいと語っている。
「みんなで生成AIコース」は、生成AIの基礎から授業実践例まで学べるオンデマンド動画も提供しており、教育の地域格差を埋めることを目指している。利用に際しては、アンケートの実施協力や授業内容の報告が求められている。生成AIの活用が教育現場でどのように進化していくのか、今後の動向が注目される。