文部科学省は2024年10月31日、2025年度(令和7年度)からの共同利用・共同研究拠点および国際共同利用・共同研究拠点の認定(国立大学)について、2拠点を認定したと公表した。認定されたのは名古屋大学と京都大学。いずれも認定期間は2025年4月1日から2028年3月31日まで。
「共同利用・共同研究」は大学が有する大型・最新の研究設備や大量の学術資料・データ等を、個々の大学の枠を越えて全国の研究者が共同で利用し共同研究を行うシステムで、長年にわたり日本の学術研究の発展に貢献してきた。文部科学省では、2008年に新たな「共同利用・共同研究拠点」の認定制度を設け、公募による認定制度を開始。公私立大学は毎年度、国立大学は中期目標・中期計画期間にあわせておおむね3年に1回公募を実施している。
今回、2025年度からの3年間を認定期間とする国立大学対象の公募の申請を2024年2月22日まで受付。科学技術・学術審議会のもとに設置した作業部会および専門委員会における専門家の評価意見などを参考にしつつ、書面審査、ヒアリング審査を実施し、審査結果を踏まえて認定拠点を選出した。
認定されたのは、名古屋大学「宇宙地球環境研究所」および、京都大学「基礎物理学研究所」。いずれも国際共同利用・共同研究拠点としての認定となる。
名古屋大学「宇宙地球環境研究所」は、地球環境問題の解決と宇宙に広がる人類社会の発展に貢献することをミッションとし、国際水準の共同研究を推進。世界中の研究機関と学術交流協定を結び、世界各地の観測点で取得したデータを活用した活発な国際共同研究の展開や、国際的な関連コミュニティの大型研究計画の立案・実施において中心的な役割を担うなど、関連コミュニティを牽引する活動を行っていることが高く評価された。
京都大学「基礎物理学研究所」は、理論物理学の中核的研究拠点として、すでに多くの外国人研究者や若手研究者を受け入れ、国際共同研究において優れた研究成果をあげている。国際的な理論物理学研究のグローバルハブとしての存在、また、アジア圏で唯一国際滞在型の研究プログラムを常設し、国際的な若手人材育成にも力を入れている点などが評価されている。
認定期間は2025年4月1日から2028年3月31日まで。今後の取組みを通して、引き続き優れた実績を積み重ね、各分野の世界的な発展に貢献することが期待される。なお、次回の国立大学を対象とした本制度の公募は、2026年度に実施される見通し。