文部科学省は2024年6月10日、今後の医学教育に関する在り方検討会による「第二次中間取りまとめ」を公表した。今後の医学教育や医学研究の充実に向けて、取り組むべき方策や方向性を提示している。
今後の医学教育に関する在り方検討会は、2023年5月以降、日本の大学病院が抱えるさまざまな課題や対応策を中心に検討を重ね、2023年9月に中間取りまとめを発表。今回、第二次中間取りまとめとして、主として2024年1月以降の議論の成果を示した。
第二次中間取りまとめでは、「今後の医学教育の充実に向けた取組」「今後の医学研究の充実に向けた取組」について、検討会の議論を踏まえて整理。医学教育については、「診療参加型臨床実習の実質化」「医学教育を担当する教員の適切な評価」「医学教育に関するコンテンツの共有化等」「医師の偏在解消に資する教育上の方策」を取り上げている。
このうち、教員の評価では「一定のインセンティブを付与する観点から、効果的な対応を検討する必要がある」と明記。国に対しては、「臨床実習指導医(仮)」の称号を付与する方策について、具体化をさらに前進させていくべきと提言している。
コンテンツの共有化では、オンデマンド授業の収録映像や汎用性のある授業用資料の共有などを通じ、教育の質の向上に資する「プラットフォーム」の整備に向けた検討が必要とした。また、医師の偏在解消に資する教育上の方策として、地域の実情や医療需要に応じて養成しようとする医師像を明確化し、医師養成上の課題に対応する教育プログラム構築を進めることが適当との考えを示した。
医学研究については、「医学分野における人口あたりトップ10%論文数は先進国で最低水準」など、日本の医学研究の現状と分析を示したうえで、「医学研究に携わる人材育成の推進」「医学研究の推進に係る研究環境整備」を掲載。医学部の臨時定員増の一部である「研究医枠」の設置に一定の効果があったことから、医学部定員全体の方向性を踏まえつつ、研究者養成に特化した枠の設置促進など、その範囲内で研究医を増員する方策を検討する必要があるなどとしている。
第二次中間取りまとめは、文部科学省のWebサイトで公開している。