文部科学省の推進により2023年度より一気に加速したアントレプレナーシップ教育。公教育での導入の鍵となる「総合的な探究の時間」について高校生100人にアンケートを実施したところ、半数を超える57%の生徒が、在籍校は主要5教科と同等またはそれ以上に熱心に探究の時間に取り組んでいると回答したことが、まつりばが行った調査結果から明らかになった。
政府の発表したスタートアップ5か年計画を受けて、文部科学省は2023年度に大学に対し、小中高以下のアントレプレナーシップ教育推進を行うことを予算化。学校現場においても2023年度より「総合的な探究の時間」が必須となったことで、アントレプレナーシップ教育は一気に加速している。
まつりばは、2023年度を「アントレプレナーシップ教育元年」と位置付け、起業体験プログラム「StartupBase U18」を通じて高校生・高専生に向けたアントレプレナーシップの啓蒙活動を展開。北海道大学や東北大学との協働によるイベント開催や、高校向けのアントレプレナーシップ動画教材の提供などを進めている。
今回、探究会議を主催する高校生団体「未来創造」とともに「総合的な探究の時間(以下、探究学習)」に関するアンケート調査を実施。調査期間は2月28日~3月9日。対象は全国の高校生で、おもに探究熱心層の高校生が回答している。有効回答数は100。
2023年度より、週に1コマ(50分授業)が必須となった探究学習だが、実際、週に何時間行われているかと聞いたところ、44%が週に2時間以上「探究学習」の時間が設けられていると回答。週3時間以上との回答も10%みられた。
通学する高校は主要5教科に比べ探究学習に熱心に取り組んでいるかとの問いには、57%が「主要5教科と同じくらい、あるいはそれ以上に熱心に実施している」と回答。回答者が探究熱心層のため、学校に対して厳しめの評価が行われている可能性を指摘しつつ、半数以上の高校生は学校が探究に熱心に取り組んでいると感じているようだ。
生徒の探究学習に取り組む意欲については、70%が「人によって取り組み意欲がまったく異なる」と回答。「ほぼ全員意欲が高い」は8%、「ほぼ全員やる気がない」は22%となった。
ほかの教科とは異なり、「問題が与えられない」「正解がない」という探究学習の特徴を前に、やる気がないというよりは「何をやったらいいかわからない」「どのように取り組んだらいいかわからない」「興味があるテーマがない」といった生徒が多いのではないかと推測される。
調査結果の全文は、StartupBase for SchoolのWebサイト内、問合せフォームより「探究アンケート結果について」と記してコンタクトを取ることでダウンロードできる。また、まつりばは、3月26日に東京大学福武ホールにて開催されるイベント「逆転教室」に協賛。イベント内でも、アンケートの回答結果を共有する。