ネクストビートは2023年11月20日、保育施設に勤務する職員の働き方に関する調査結果を公表した。施設形態や役職により勤務に差があることや、残業なしが全体の半数を占める一方、30~50時間の残業がある職員も一定数存在することなどが明らかになった。
調査は2023年4月~9月、ネクストビートが提供するICTシステム「保育士バンク!コネクト」の労務管理データから、一定期間継続して利用している約6,000人の保育園・幼稚園などに勤務する職員の労務データを抽出し、統計化した。
調査結果によると、保育施設で働く職員の平均労働時間は「160時間」が37.1%でもっとも多く、ついで多い「170時間」15.9%をあわせると過半数に達した。残業時間については「0時間」が54.7%で半数以上を占めたが、「1~5時間」が30.5%、「6~10時間」7.2%と続き、30~50時間を超える職員も1.2%と一定数存在することがわかった。
平均労働時間を園の施設形態別で比較すると、「認可保育園」(160.9時間)に比べ、開所時間の長い「認定保育園」(166.7時間)、「認証保育園」(165.2時間)の労働時間が長かった。また、一部24時間体制の勤務を行っている「院内保育室」(165.6時間)、「乳児院」(163.4時間)の施設も全体平均より長くなっている。一方で、保育園と比べて保育時間の短い「幼稚園」は152.4時間、もっとも短いのは「家庭的保育室(定員5人以下)」で145.4時間だった。
職員の役職・職種別では、園長や主任などの「管理職」の月平均労働時間が171.1時間に対し、「保育士」は160.6時間であり、民間企業と同様、管理職の勤務時間が一般の職種より長い傾向がみられた。
有給休暇の取得状況については、平均の有給休暇日数は6.5日であり、取得率50.45%となった。取得率を職員の役職・職種別でみると、「管理職」が42.0%、「保育士」が50.4%であり、勤務時間と同様に、管理職は有給取得率がやや低い傾向にあることがわかった。