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働き方改革、教員や学生の声を反映して…若者団体が要望

 教員の働き方改革を議論する中央教育審議会の場で、当事者である現役教員や教員志望の学生の声を聞き、意見を反映してほしいと、日本若者協議会は2023年11月8日、文部科学省に要望書を提出した。現役教員や教員志望の学生にヒアリングを実施するよう求めている。

教育行政 文部科学省
要望書の手交について
  • 要望書の手交について
  • 今回の「緊急提言」は期待に見合うものか(教員志望の学生)
  • 今回の「緊急提言」は期待に見合うものか(教員)
  • 今回の「緊急提言」で教員への志望度は変わったか(教員志望の学生)

 教員の働き方改革を議論する中央教育審議会の「質の高い教師確保特別部会」の場で、当事者である現役教員や教員志望の学生の声を聞き、意見を反映してほしいと、日本若者協議会は2023年11月8日、文部科学省に要望書を提出した。現役教員や教員志望の学生にヒアリングを実施するよう求めている。

 日本若者協議会は、若者の声を政府や社会に届ける窓口として、若者政策の立案、各政党との政策協議、政策提言を行っている若者団体。教員の労働環境改善に向けてはこれまでも、政府や主要政党、東京都などに政策提言している。

 日本若者協議会では、中央教育審議会の「質の高い教師確保特別部会」が8月、教師を取り巻く環境整備について緊急的に取り組むべき施策を提言したのを受けて、教員志望の学生(高校生・大学生・大学院生)174人、現役教員1,253人の計1,427人を対象に8月30日~9月10日にアンケート調査を実施。その結果、今回の「緊急提言」に対し、教員志望の学生の60%、教員の77%が「期待に見合っていない」「期待以下」と回答した。

 今回の「緊急提言」で教員への志望度が変わったか、教員志望の学生に尋ねた結果では、23%が「志望度が下がった」と回答した。「変わらない」は68%、「志望度が上がった」は9%だった。

 11月8日には文部科学省に対し、「質の高い教師確保特別部会」において教員志望の学生と現役教員対象のヒアリングを実施するよう求める要望書を提出。日本若者協議会の室橋祐貴代表理事をはじめ、教員志望の高校生や現職教員、元教員の大学院生などが文部科学省を訪問し、記者会見も行った。

 要望書では、今回のアンケート結果を示すとともに、教員の長時間労働是正や教員不足解消に向けた同部会の議論について「当事者である教員志望の学生の声が反映されておらず、現役教員を代表する団体も議論に参加していない」と指摘。教員の労働環境は、教育を受ける児童生徒や、教員志望学生の増減にも大きな影響を与えるとして、教員志望の学生や現役教員へのヒアリング実施を求めている。

《奥山直美》

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