保育研究プロジェクト「子ねくとラボ」を運営する明日香は2023年8月、保育士を対象とした意識調査を実施。9割以上の保育士がヒヤリ・ハットの経験があることや、その多くは保育業務に活用できていることなどが明らかになった。
「保育士のヒヤリ・ハットに関する意識調査」は2023年8月18日~19日、常勤保育士104名を対象にインターネットにて実施した。
調査結果によると、常勤保育士の90.4%が、自身の保育業務でヒヤリ・ハットを経験したことがあると回答。経験したことがないとの回答は6.7%にすぎなかった。
ヒヤリ・ハットを経験した具体的な場面を上位3つまであげてもらったところ、もっとも多かったのは「園庭遊具の使用中」で73.6%、以下「おもちゃで遊んでいる最中」が51.4%、「食事中」が36.8%、「園外での移動・活動中」が36.4%と続いた。
次に、勤め先の園で、事例の報告・共有によってヒヤリ・ハットの振り返りを行っているか尋ねたところ、53.8%が「報告・共有・振り返りともにしっかり行っている」と回答。一方で、ヒヤリ・ハットの「振り返りを行えていない(行えていない・十分ではない)」との回答も46.2%みられ、園によって対応の仕方に違いがみられた。
しかし、ヒヤリ・ハットの事例を保育業務に活用できているか尋ねたところ、「活用できている(非常にそう感じる・やや感じる)」との回答が85.6%の高水準。具体的には、「ヒヤリ・ハットが起きた場所の環境見直しを行っている(74.2%)」「ヒヤリ・ハットの収集だけでなく、安全管理に向け分析を行っている(52.8%)」「事例や改善策について議論する機会を作り、保育園内で危機意識を高めている(38.2%)」などが実施されているという。
また、勤め先の園は、ヒヤリ・ハットを報告しやすいと感じるかの問いに対して、「報告しやすい(非常に報告しやすい・やや報告しやすい)」との回答が90.4%だった。しかし、一方で「報告しにくい(やや報告しにくい・非常に報告しにくい)」も9.7%みられ、理由として「報告することで立場が脅かされる可能性があるから(40.0%)」「報告して上司から叱責を受けるのが怖いから(30.0%)」「ヒヤリ・ハットを報告しても活用されることはないから(30.0%)」などの声が寄せられた。