教育業界ニュース

園バス安全装置の装備率、全国で55%…こども家庭庁調査

 子供のバス置き去り対策の一環として、保育施設などの送迎用バスへの取り付けが義務化された安全装置について、2023年6月末時点の装備率が全国で55.1%にとどまることが、6月27日にこども家庭庁が公表した調査結果から明らかになった。

教育行政 その他
6月末時点の装備完了および装備予定の割合【施設・事業別】
  • 6月末時点の装備完了および装備予定の割合【施設・事業別】
  • 6月末時点の装備完了および装備予定の割合【都道府県別】

 子供のバス置き去り対策の一環として、保育施設などの送迎用バスへの取り付けが義務化された安全装置について、2023年6月末時点の整備率が全国で55.1%にとどまることが、6月27日にこども家庭庁が公表した調査結果から明らかになった。

 2022年9月に静岡県牧之原市で発生した送迎用バス内に園児が置き去りにされ熱中症で亡くなるという痛ましい事案を受け、政府は翌月に緊急対策を取りまとめ、対策の一環として送迎用バスに対する安全装置の装備を4月1日付けで義務化した。義務化は2024年3月31日までの1年間を経過措置期間として設定しているが、可能な限り6月30日までに装備するよう求めており、今回、6月時点の装備状況について調査を実施。結果を公表した。

 調査は送迎用バスを運行する幼稚園や保育所、認定こども園、特別支援学校などを対象に実施。5月22日から6月7日の調査期間で、全国2万1,343施設、送迎用バス計5万19台について回答があった。

 5月15日時点で安全装置の装備が完了していたのは、全国でわずか15.6%。さらに、6月末までに装備を完了または装備予定と回答した割合は55.1%となった。6月末の予定でもっとも装備が進んでいるのは「地域型保育事業(居宅訪問型を除く)」74.8%、もっとも装備が進んでいないのは「指定児童発達支援事業所」42.9%。幼稚園は67.4%、保育所は67.3%、認定こども園は67.4%とほぼ同様の進捗となった。

 都道府県によっても進捗にばらつきがみられ、6月末の装備完了予定率が高いのは石川県77.9%、山口県77.0%、徳島県76.3%、山形県75.6%など。反対に装備が進んでいないのは、滋賀県20.3%、大阪府36.8%、鳥取県40.7%、宮城県40.9%など。そのほか、東京都50.6%、神奈川県45.6%と園児数の多い都市部でも全国平均を下回る結果となった。

 装備の義務化は、年度内3月31日まで期間が設けられているが、昨年9月の事故では熱中症が死因となっており、今後、気温の上昇にともない熱中症の危険性が大いに高まる恐れがあることから、早めの装備を呼びかけている。

《畑山望》

この記事はいかがでしたか?

  • いいね
  • 大好き
  • 驚いた
  • つまらない
  • かなしい

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top