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障害ある学生は4万9,672人…私立で高い伸び率

 日本学生支援機構は2023年8月30日、大学・短期大学・高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査の結果を発表した。2022年5月1日現在の障害学生数は、前年度より8,928人多い4万9,672人。国公私立別では、私立の伸び率が24.9%と大きくなっている。

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障害学生数と障害学生在籍率
  • 障害学生数と障害学生在籍率
  • 障害種別の障害学生数
  • 設置者別の障害学生数

 日本学生支援機構(JASSO)は2023年8月30日、2022年度(令和4年度)大学・短期大学・高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査の結果を発表した。2022年5月1日現在の障害学生数は、前年度より8,928人多い4万9,672人。国公私立別では、私立の伸び率が24.9%と大きくなっている。

 全国の大学(専門職大学、大学院、大学院大学、専攻科を含む)、短期大学(大学内に短期大学部を有している場合、専門職短期大学、専攻科を含む)、高等専門学校(専攻科を含む)を対象とした悉皆調査。調査期日は2022年5月1日現在。全学校数1,174校から回答を得た。

 なお、障害学生とは、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳を有している学生または健康診断などで障害があることが明らかになった学生。

 2022年5月1日現在の障害学生数は、前年度比8,928人増の4万9,672人。全学生に占める障害学生の在籍率は1.53%で、前年度より0.27ポイント増加した。設置者別の障害学生数は、「国立」1万947人、「公立」2,941人、「私立」3万5,784人。設置者別の伸び率を前年度と比較すると、国立が14.3%、公立が16.9%、私立が24.9%と、私立の伸び率が大きくなっている。

 障害学生数を障害種別でみると、「精神障害」1万5,787人(31.8%)がもっとも多く、前年度より3,559人の増加。「病弱・虚弱」1万3,529人(27.2%)、「発達障害」1万288人(20.7%)と続いている。

 障害学生が在籍している学校は970校。全学校数に占める障害学生在籍校の割合は82.6%。障害学生4万9,672人のうち、支援を受けている支援障害学生の総数は2万7,121人で、前年度より5,354人増加した。

 障害学生への授業に関する支援を実施している学校は852校。支援実施状況を障害種別にみると、「精神障害」663校、「発達障害」629校、「病弱・虚弱」552校の順に多かった。障害学生に授業以外の支援を実施している学校は701校で、障害種別では「発達障害」530校、「精神障害」523校、「病弱・虚弱」401校の順に多かった。

 障害者差別解消法に関する対応要領などの設置状況については、「対応要領または基本方針、規程などがある」学校は886校(75.5%)。「2022年度中に策定予定」の学校49校をあわせると935校(79.6%)。「対応要領または基本方針、規程などはない」学校は239校(20.4%)であった。

 障害学生支援担当者の配置状況をみると、「専任」を配置している学校は266校、「兼任」を配置している学校は874校。あわせた1,140校(97.1%)で支援対象者を配置していた。専任スタッフは「コーディネーター」「職員」「教員」、兼任スタッフは「職員」「教員」「カウンセラー」の順に多かった。

 2022年度入学者選抜において、入試要項(紙)およびホームページに障害学生配慮に関して記載している学校は917校。入学選抜における配慮について事前相談の受付方法について「全学共通のルールで期間を設けている」学校は603校であった。

《奥山直美》

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