SDGsに取り組む保育園は68.3%と、前年より11.7ポイントアップしたことが、明日香が発表した調査レポートより明らかになった。SDGsを保育に取り入れた園の7割以上は「良い変化」を実感している。
保育研究プロジェクト「子ねくとラボ」を運営する明日香は、SDGsを知っている現役保育士105名を対象に、【2023年版】保育の現場におけるSDGsへの取組みに関する実態調査を実施。調査結果をレポートとして公表した。調査は、2022年に行った同内容の調査の定点観測調査として、2023年7月6日~7日にかけてインターネットで行った。
地域貢献や環境保全などのSDGsに関する取組みを実施している保育園は68.3%で、前年(2022年)と比較して11.7ポイント増。実施している園のうち、研修や勉強会などのSDGsに関して学ぶ機会が「ある」と回答した園は66.2%で、対前年比6.2ポイント増となった。
SDGsに関する取組みを実施している園を対象に、SDGsを保育に取り入れたことでどのような変化があったかを聞いたところ、「非常に良い変化があった」23.9%、「やや良い変化があった」46.5%となり、7割以上が「良い変化」を実感していることがわかった。悪い変化を感じている割合は3%未満となり、「変化はない」との回答が19.7%だった。
良い変化があったと回答した園に、具体的な変化を質問したところ、「子供たちの人格形成や発達に効果があった」がもっとも多く54.0%。ついで「子供たちの生活習慣(食事など)に変化があった」50.0%、「保護者との関わりのきっかけとなった」30.0%と続いた。
一方、SDGsに関する取組みを実施しているものの、保育に取り入れていない・わからないと回答した園を対象に、SDGsを取り入れる際に課題となったことを聞いたところ、「わかりやすくSDGsについて伝えること」51.5%、「子供に興味を持ってもらうこと」45.5%に多くの票が集まった。また、「保育士のSDGsについての勉強時間の確保」30.3%、「子供に興味を持ってもらえるような指導を考えること」27.3%と、保育士の業務負担の面が課題となっているケースもみられた。
調査レポートではこのほか、今後SDGsの取組みを進めていくうえでの目的や、SDGsに関する取組みを行なっている施設への就職意欲などについても調査を実施。全文は子ねくとラボに掲載されており、レポート資料をダウンロードして閲覧できる。