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教員の処遇改善策、中教審に諮問…文科省

 永岡桂子文部科学大臣は2023年5月22日、教職調整額等に注目が集まる中、中央教育審議会に質の高い教師を確保するための環境整備について諮問した。2023年度内にも具体的な改善策を打ち出す見通し。

教育行政 文部科学省

 永岡桂子文部科学大臣は2023年5月22日、教職調整額等に注目が集まる中、中央教育審議会に質の高い教師を確保するための環境整備について諮問した。2023年度内にも具体的な改善策を打ち出す見通し。

 全国的に教師不足が指摘されている憂慮すべき状況が続く中、教師の時間外勤務の状況は2016年度から2022年度にかけて一定程度改善がみられたものの、依然として長時間勤務が続いている。

 諮問では、教師に質の高い人材を確保することが必須であり、抜本的に教職の魅力を向上させることが喫緊の課題であると指摘。「一体的・総合的に進めることが不可欠」であることを強調した。今後、2023年春ごろにかけて、教師の勤務制度を含めた働き方改革、教師の処遇改善、学校の指導・運営体制の3点を中心とした審議が行われる。

 具体的な検討項目は、学校・教師が担う業務のあり方、勤務時間の上限指針の実効性を高めることができる仕組みや、取組状況等を「見える化」するための枠組み、長時間の時間外勤務を抑制するための仕組み等。

 また、現行制度で一律給料月額4%とする「教職調整額」および、校外実習や修学旅行等のやむを得ない場合に必要な業務「超勤4項目」のあり方。また、現行制度を踏まえた時間外勤務手当の支給に対する考え方等、給与制度や教師の職務等に応じた給与について審議する。

 学校の指導・運営体制については、中学校35人学級の導入等、学校の望ましい教育環境や指導体制の構築、小学校高学年での教科担任制、柔軟な学級編制や教職員配置、支援スタッフの配置等について具体的な検討が行われる。

 永岡桂子文部科学大臣は5月23日に開かれた記者会見で、各都道府県市町村の学校等のそれぞれの主体がその権限と責任に応じて役割を果たすことと、教員の勤務実態調査の速報値を重要観点として踏まえ、総合的に検討してもらいたいと語った。

《川端珠紀》

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