京都大学と日本IBMは2023年4月18日、同大学の医学研究科および医学部附属病院等におけるデータ活用を促進するための医療データ&AIプラットフォームをGoogleクラウド上に構築したと発表した。すでに臨床研究での活用も始まっているという。
京都大学とGoogleクラウドは、医学研究科および医学部附属病院等のDXに関する協定を2021年1月15日に締結。京都大学の医療サービスを、Googleクラウドを活用してさらに発展させることを目指してきた。
今回のプロジェクトでは同協定を具現化。基盤となるプラットフォームで、医療データを収集・保持するデータレイクおよびデータウェアハウスをGoogleクラウドを用いて構築し、優れた拡張性とデータへのアクセシビリティーの向上を実現。すでに臨床研究での活用も始まっており、最近では希少疾患診断率向上のための研究として医療データAIの検証を行ったという。
今後、京都大学と日本IBMは、収集データを拡充するとともに、画像データを含むデータカタログの整備や、グローバル標準の医療データ交換規約「HL7 FHIR」への対応、また京都大学医学部附属病院 先端医療研究開発機構(iACT)でのデータ利活用基盤としての拡張等を通じて、利用の場を拡げるとしている。
あわせて、京都大学医学研究科附属医療DX教育研究センターにて、医療AIアプリケーションを研究者や学生同士で共創し、データレイク・データウェアハウスのデータを使って医学部附属病院等で試用するための環境の提供にも取り組む。
一方、日本IBMとGoogleクラウドは、今後、他の病院や企業・地域においても病院の医療データや生涯型電子カルテ「PHR」、個人の健康データを連携してデジタルサービスを提供できるような基盤としての展開に向け計画を進めるとしている。