SDKIは2023年1月11日、世界のデジタル教育出版市場規模が2030年までに300億米ドルの収益を蓄積するとの予測を発表した。デジタル教科書は、年平均17%で急速に成長すると予想している。
デジタル教育出版市場に関する調査は、ヨーロッパ、アジア、北米等の533の企業を対象にインターネットと実地調査で行われた。調査期間は、2022年12月23日~29日。
まず、デジタル教育出版市場の成長要因を尋ねたところ、「スマートフォンの急速な普及(45%)」「教育部門におけるデジタル技術を支援する政府のイニシアチブ(33%)」「広範なインターネット接続(22%)」との回答が得られた。近年の急速なスマートフォン普及は、デジタル教育出版市場の成長を推進する要因の1つだとしている。
さらに新型コロナウイルスのパンデミックは、デジタル教育出版市場の成長にプラスの影響を及ぼした。大多数の国は完全なシャットダウンに続き、eラーニングが増え、その結果、デジタル教育出版の利用が増加。ただし、これは例外的なケースで、学校や教育機関の閉鎖によるものと分析している。
また、デジタル教育出版市場のうち、デジタル教科書は、2030年までに年平均17%で急速に成長すると予想。デジタル教科書はコストが安く、更新も簡単なため、今後の成長に期待が寄せられる。
デジタル教育出版市場のシェアを世代別でみると、K-12(5~18歳)が47%と全体の約半数を占める。学校や教育プラットフォームも、従来の黒板から電子黒板等、現代のテクノロジーへの移行が加速。今後もK-12世代が成長を担うと予想している。
地域別のシェアは「北米地域(41%)」がもっとも多く、ついで「アジア太平洋地域(38%)」「ヨーロッパ地域(21%)」。このうち、アジア太平洋地域の市場シェアは、中国がもっとも多く、インドが続く。日本は2033年までに需要の主要国の1つになると予測。
一方、Mozilla Firefox、Google Chrome等のプラットフォームの存在については、オープンソース資料の可用性や大規模なオープンオンラインコースの出現により、デジタル教育出版市場の成長を抑制する可能性を指摘している。