GIGAスクール構想による1人1台端末環境が整い、全国の小中学校では日々の授業の中で動画教材の視聴やビデオ会議ツールや授業支援ツールの使用等、多様なICT活用が進んでいる。また、2024年度からはデジタル教科書の段階的な導入がスタートし、学校でインターネットに接続する機会はより一層増えることが予想される。
しかし、授業においてインターネットに接続する際、「回線速度が遅く、スムーズに使えなくなった」等のトラブルが起きることがある。この記事では、そういったトラブル発生時の確認事項を紹介する。
ボトルネックがどこにあるのか確認するには
平常時と比べてWebサイトや動画等の読み込みが遅い、ビデオ会議が止まってしまう等のトラブルが起きた際、まずはネットワークの中でボトルネック(※)となっている区間を特定することが必要だ。つまり、校内LAN内、自治体センター拠点から学校まで、センター拠点より上流、どこに問題があるかを突き止める。校内で解決できる問題なのか、専門の事業者の対応が必要なのか等を判断するためだ。
※通信ネットワークのボトルネック:情報の流通経路のうち、もっとも情報の流れが遅くなる部分、速度低下を招く要因となっている個所のこと。
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まずは教室端末からWeb上のスピードテストサービスを利用して、実際の回線速度はどれくらいかを確認してほしい。普段から定期的に回線速度を計測しておけば、速度に異常があるのかどうか判断しやすいだろう。
次に、学校内のネットワークが集約した個所で速度を計測し、端末レベルの回線速度と差があれば、校内LANがボトルネックだと特定できる。さらに、教育委員会にて自治体センター拠点での回線速度を計測し、学校単位の回線速度と大きな差があれば、センター拠点から学校までの区間がボトルネックだろう。教室の端末からセンター拠点までの間に大きな差がなければ、さらにネットワークの上流で問題が発生している可能性が高い。
ボトルネックとなる区間が特定できたら、ネットワーク測定ツールを利用して詳細調査を行うことが有効だ。ただし、これには専用のツールと知識が必要となるため、事業者に相談する必要があるだろう。
リシード「学校インターネット回線速度計測」
リシードでは、「学校インターネット回線速度計測」サービスを提供している。利用料は無料で、全国の学校で利用できる。
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「学校インターネット回線速度計測」は、サーバ環境に左右されない通信速度測定システムとして定評があり、今年サービス開始20周年を迎えた「RBB SPEED TEST(アールビービー スピードテスト)」を、学校向けに改良して提供するもの。
全国の国公立・私立「小学校」「中学校」「高等学校」「大学」「専門学校」に対応しており、学校名・接続状況・回線(不明な場合は選択不要)を選択して測定するというシンプルな操作で利用し、授業前の確認、教室や機器ごとの回線速度の違いの把握などに活用できる。
「学校インターネット回線速度計測」を定期的に実施し、上掲の内容とあわせて学校の回線環境の把握・改善に役立てていただきたい。