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教科書選定の贈収賄事件、文科大臣「強い憤り」 

 大阪府藤井寺市立中学校の教科書選定をめぐる贈収賄事件について、文部科学省の永岡桂子大臣は2022年11月4日、「採択の公正性に疑念を生じさせる事案が発覚したことに強い憤りを感じており、極めて遺憾」と語った。

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永岡桂子文部科学大臣の会見
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 大阪府藤井寺市立中学校の教科書選定をめぐる贈収賄事件について、文部科学省の永岡桂子大臣は2022年11月4日、「採択の公正性に疑念を生じさせる事案が発覚したことに強い憤りを感じており、極めて遺憾」と語った。

 大阪府藤井寺市立中学校の教科書選定をめぐっては、教科書会社「大日本図書」の社員による不正行為が発覚。大阪府警が11月2日、加重収賄容疑で市立中学校元校長、贈賄容疑で同社元取締役らを書類送検している。大日本図書では、9月にも茨城県五霞町の教育長らを接待した事案が明るみになっている。

 11月4日の会見で文部科学省の永岡大臣は、「教科書はすべての児童生徒が必ず使用するものであり、その採択には高い公平性そして透明性が求められるということから、平成28年(2016年)に業界で自主ルールを策定し、文部科学省からもその採択における公正確保の徹底等について毎年度、発行者や自治体に通知している」と説明した。

 そのうえで、今回の藤井寺市立中学校の不正問題について「茨城県の事案に続き、採択の公正性に疑念を生じさせる事案が発覚したことに強い憤りを感じており、極めて遺憾」と発言。今後について、「詳細な調査結果を踏まえ厳正に対応するが、二度とこのような不適切な事案が発生しないように指導を徹底してまいりたい」と語った。

 今回の事案をめぐり、藤井寺市教育委員会は11月4日、Webサイトにお詫びを掲載。「このような事案が生起した原因を調査するとともに、教育公務員としての倫理の確立、服務規律の順守、綱紀粛正を徹底してまいります」としている。大日本図書も11月2日にWebサイトにお詫びを掲載し、今後について「外部の弁護士を含めた特別調査委員会において徹底した社内調査と検証を行い、再発防止に取り組んでまいります」と説明している。


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