単位制・通信制高校サポート校の神村学園東日本教育サポートセンターは、生徒間および生徒と職員間の交流や教育活動に活用するため、新たにメタバース(仮想空間)上にバーチャル校舎を開設、2022年9月より運用を開始した。メタバースならではのコミュニケーションに期待が寄せられる。
開設したバーチャル校舎は、リアルなメタバースのデジタルツインで、メタバースに作られた“もう1つの学校空間”。3D空間に、10数か所の教室を備えた2階建てのオリジナル校舎を設置。生徒は、自分の好きなアバターを選んでこの空間に入り、空間内を自由に移動したり、チャットや音声通話でクラスメイトや職員と交流・会話することができる。1対1や少人数の会話だけでなく、大人数で一緒に会話することもでき、現実の教室でリアルに会っているのと同様の体験を、メタバース上で再現することができる。
アクセス(メタバース登校)するのに、専用アプリのインストールやVRゴーグル等の準備は不要。スマートフォンやタブレットから簡単にアクセスでき、メタバース内にある授業映像で教科の学習をすることも可能。「学校に登校する」ことのハードルをさげ、生徒が自宅や好きな場所からより手軽に“登校”できるようになる。
神村学園東日本教育サポートセンターでは、バーチャル校舎の開設にあたり、メタバースならではの教育効果に期待を寄せている。1つには、リアルな学校のデジタルツインを用意することで、不登校傾向の生徒や外出するのが苦手な生徒に「学校に通う、登校する」経験をより低いハードルで提供し、「登校する」経験をクリアしていくことで自己肯定感や自信形成につなげたいねらい。
また、対面で顔と顔をあわせて話すのは苦手、ビデオ通話でもカメラをONにすることに抵抗感があるといった生徒でも、アバターを用いることでコミュニケーション上のハードルを解消し、メタバースだから実現できる新たなコミュニケーション創出のきっかけを目指す。”視線を感じないが、存在は感じられる感覚”を生徒が実際に体験し、生徒間や生徒・職員間のコミュニケーション活性に大きく貢献してくれるのでは、と期待が寄せられる。
また、新たに入学を希望する生徒向けに、メタバースでのオープンキャンパス・学校説明もスタート。オープンキャンパス用に作られたオリジナルのメタバースで、各キャンパスのようす(概要)を24時間確認することができる。別途、問合せフォーム等から予約・日程調整することで、職員から学校説明を受けることも可能。
同校では今後も、多様な生徒がより個性を発揮でき、充実した学校生活を過ごすことができるよう、メタバースの活用を推進していくとしている。