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奈良市立中「教員職能開発プロジェクト」クラファンで支援募集

 ビジネス能力開発は、奈良市立都南中学校にて2021年度より進めている「都南中学校エニアグラムプロジェクト(TEP)」について、2022年度も引き続きプロジェクトを継続するための支援を募るクラウドファンディングを実施。9月30日まで支援を受け付ける。

事例 活用例
都南中学校エニアグラムプロジェクト(TEP)継続に向けたクラウドファンディング実施
  • 都南中学校エニアグラムプロジェクト(TEP)継続に向けたクラウドファンディング実施
  • 奈良市立都南中学校校長・浜辺 秀雄先生
  • ビジネス能力開発 代表取締役社長・安村明史氏
  • 奈良市立都南中学校生徒指導部部長・竹田光暢先生
  • エニアグラムについて

 ビジネス能力開発は、奈良市立都南中学校にて2021年度より進めている「都南中学校エニアグラムプロジェクト(TEP)」について、2022年度も引き続きプロジェクトを継続するための支援を募るクラウドファンディングを実施。ネクストゴールを目指して9月30日まで支援を受け付ける。

 奈良市立都南中学校では、長年にわたり問題行動に対する生徒指導対応という課題が存在していた。加えて近年は家庭背景に問題を抱える生徒、不登校生徒の増加等、授業以外で教職員が多くの時間を割かざるを得ず、教員の対応について保護者から不満が寄せられる等、教員の疲弊が常態化する状況にあったという。

 中学校側はその原因として、相対的若い教員が多く、教員の入れ替わりが頻繁なこと、長年にわたる教員と生徒との距離感の乖離から相互理解への隔たりがあること等を課題として認識。若い教員の経験不足を補うような対応指導上の諸課題に関する武器を身に付ける手段として、ビジネス能力開発協力のもと、2021年度よりエニアグラムを用いた教員のスキルアップ研修「都南中学校エニアグラムプロジェクト(TEP)」を開始した。

 「エニアグラムプロジェクト」では、エニアグラムという人間の先天的な人格特性(性格タイプ)を9つに分けた手法を使い、教職員に性格タイプ別人間理解と性格タイプ別対応を学ぶ研修およびコーチング・面談を実施。2021年度は、1年間をかけて「エニアグラム for ティーチャー~エニアグラムを組み込んだ性格タイプ別教育プログラム~」と題して研修を行い、相談したい個々の教職員に個別面談を実施したという。

 結果として、少しずつ教員の対応について成果がみられ、生徒からの新たな反応を実感する事例が出ているという。たとえば、自分をうまく表現できずに荒れていた生徒に対し、エニアグラムの同タイプの先生が対応することでその思いに共感でき、生徒が安心感をもつことで自分の思いを伝えることができるようになったという。別の生徒の場合には、粘り強くその生徒の本質(エニアグラムの性格タイプ)にあった対応を続けることで生徒の信頼を得て、先生が感謝されることにつながったという。

 奈良市立都南中学校では、さらなる教員の「人間力向上・対人関係力向上」を図ることを目指し、2022・2023年度と継続してTEPを行っていきたいねらい。次目標として、「教員のストレス、勤務時間の低減」「生徒の学力向上、不登校生徒の低減」「生徒が落ち着いた環境の中ストレスなく学習に取り組める場づくり」の3点をあげている。

 地方教職員への職能開発研修等の教育予算は割り当てられていないことから、ビジネス能力開発は2022年度も引き続きTEPを実施するためのクラウドファンディングを実施中。8月16日の開始以降、15日間で1次目標の30万円を達成し、現在ネクストゴールの50万円に向けて支援を募っている。

 支援は、クラウドファンディングサービス「READYFOR」にて9月30日まで受付。支援金は、すべてプロジェクト実施費用に充てられる。

《畑山望》

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