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給付型奨学金の中間層拡大を提言…教育未来創造会議

 政府の教育未来創造会議は2022年5月10日第一次提言案を公表した。給付型奨学金と授業料減免の中間所得層への拡大、ライフイベントに応じて奨学金を柔軟に返還できる出世払いの仕組み創設等を盛り込んでいる。

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第一次提言案の概要
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 政府の教育未来創造会議は2022年5月10日、「我が国の未来をけん引する大学等と社会の在り方について」と題した第一次提言案を公表した。給付型奨学金と授業料減免の中間所得層への拡大、ライフイベントに応じて奨学金を柔軟に返還できる出世払いの仕組み創設等を盛り込んでいる。

 教育未来創造会議は、高等教育をはじめとする教育のあり方について、国としての方向性を明確にするとともに、誰もが生涯にわたって学び続け学び直しができるよう教育と社会の接続の多様化・柔軟化を推進するため、2021年12月に第1回会議を開催。5月10日の第3回会議では、第一次提言案について議論した。

 2020年度より始まった高等教育の修学支援新制度では、低所得層に対する給付型の支援が充実されてきた一方、対象とならない中間所得層への支援が課題となっている。提言では、修学支援新制度を検証し、機関要件の厳格化を図りつつ、現在対象外となっている中間所得層について、負担軽減の必要性の高い多子世帯や理工系・農学系の学部で学ぶ学生等への支援に関し必要な改善を行うと明記した。

 貸与型奨学金については、無利子・有利子に関わらず、現在返還中の者も含めて利用できる減額返還制度をライフイベント等も踏まえ、返還者の判断で柔軟に返還できるよう見直す。在学中は授業料を徴収せず、卒業(修了)後の所得に連動して返還・納付を可能とする新たな制度について、修学支援新制度の対象とはなっていない大学院段階で導入することで、大学・大学院・高専等で学ぶ者が卒業後の所得に応じて柔軟に返還できる「出世払い」の仕組みを創設することを提言している。

 また、他の分野と比較して特に女子学生の占める割合の少ない理工系や、これまで以上に女性の視点を取り入れることでさらなる成長が期待され、地域活性化にもつながる農学系等の分野で女性活躍プログラムを強化し、官民共同修学支援プログラムを創設。女子学生の占める割合の少ない分野の大学入学者選抜で女子学生枠の確保等に積極的に取り組む大学等に対して、運営費交付金や私学助成による支援を強化すること等を盛り込んでいる。
《奥山直美》

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