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新しい時代の学びの環境整備…東大附属校等の成果

 文部科学省は2022年4月22日、委託事業「新しい時代の学びの環境整備先導的開発事業」の成果概要を公表した。東京大学や自治体等の成果概要の事例を、他の学校設置者が取り組む際の参考になるようまとめている。

教育行政 文部科学省
市川市立宮田小学校建替え事業基本構想・基本計画 成果報告書概要
  • 市川市立宮田小学校建替え事業基本構想・基本計画 成果報告書概要
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  • 東京大学教育学部附属中等教育学校の校舎大規模改修の成果報告
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 文部科学省は2022年4月22日、委託事業「新しい時代の学びの環境整備先導的開発事業」の成果概要を公表した。東京大学や自治体等の成果概要の事例を、他の学校設置者が取り組む際の参考になるようまとめている。

 Society5.0時代として、社会の在り方が大きく変化しつつある中、子供たちひとりひとりを大切にし、また、互いを尊重し、協働しながら問題を解決していく資質・能力を育成することが、学校教育の大きな課題になっている。文部科学省では、2021年1月より有識者会議を設置し、新しい学びを実現する学校施設の在り方や推進方策等について検討。新時代の学びを実現する施設環境を発案・具体化するような施設整備に関する基本計画の策定および計画・設計プロセスの整理を実施することに対して、2021年度より委託事業を実施し、学校設置者の取組みを支援している。

 2021年度に行われた成果報告として、千葉県市川市、福岡県築上町、東京大学、長野県小諸市の事例をまとめている。市川市は、市立宮田小学校建替え事業基本構想・基本計画成果報告書概要を報告。2021年8月に文部科学省の「新しい時代の学びの環境整備先導的開発事業」の委託を契約。学校に通う児童や保護者、地域住民、教職員等、学校に関わるさまざまな立場の人からの意見を聞き、宮田小学校コンセプト会議および宮田小学校新校舎推進会議を立ち上げ、学校のコンセプトや整備方針等について検討、整理をした。

 また、近年の社会情勢の変化により、さらなる検討の必要が生じたデジタルトランスフォーメーションとカーボンニュートラルに向けた学校施設の整備についても、建築計画、教育・ICT、建築環境の有識者を交えた専門会議で協議調整をした。基本計画では、多様な学習スタイルに対して柔軟に使える広さと機能をもつ施設を計画。おもに、学級活動で使用し、普通教室の役割の強化(学習の場)や補助(生活の場)を行うオープンスペースや、図書室を普通教室にはないICTを活用した学習や調べもの学習等が行えるメディアセンターとして計画した。報告書では、検討スケジュールから校舎の平面図、イメージパースをまとめている。

 東京大学は、同大学教育学部附属中等教育学校の校舎大規模改修の成果報告を紹介。改修の重点ポイントとして、「探究・協働」の活動をふんだんに取り入れる普通教室の整備。図書館を中心としたラーニングコモンズを校舎の中核に据えた探究空間。その他、「からだまるごと」で他者・世界とつながる区間UI(ユーザーインターフェイス)の導入、特別教室の可塑的で効果的な再配置等をあげている。

 リノベーション計画では、増築をまったく行わない改修工事、仮校舎のない「居ながら工事」という厳しい制約の中で多様なコモンズを核とした新たな教育空間を創出。多様なレイアウトが可能な「L型普通教室」、コミュニケーショナルな回遊空間「クリエイトラウンジ」「教職員コモンズ」、DEAL+放課後コモンズによる協働的な学びの空間「ラーニングコモンズB」をイラストとイメージ図をあわせてまとめている。
《田中志実》

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