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5-11歳の集団接種「推奨するものではない」文科省

 文部科学省は2022年2月21日、幼児児童生徒に対する新型コロナウイルス感染症の予防接種について学校設置者に通知を発出。学校等集団接種は「現時点で推奨するものではない」との考えを明記した。

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 文部科学省は2022年2月21日、幼児児童生徒に対する新型コロナウイルス感染症の予防接種について学校設置者に通知を発出。学校等集団接種は「現時点で推奨するものではない」との考えを明記し、接種を行う際は保護者への丁寧な情報提供と確実な同意、同伴を要するよう留意すべき点を示している。

 5歳~11歳の子供への新型コロナワクチンが特例承認され、3月から各自治体において接種開始となる流れの中、文部科学省は各学校設置者に対して事務連絡を発出。大学・高等専門学校を除く幼児児童生徒を有する学校等に対し、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種について、学校を会場としその学校に所属する幼児児童生徒に接種を行う形態の集団接種「学校等集団接種」に関する考え方や留意点等を取りまとめた。

 幼児児童生徒へのワクチン接種を学校集団接種によって行うことについては、「保護者への説明の機会が乏しくなる」「接種への個々の意向が必ずしも尊重されず同調圧力を生みがち」「接種後にみられた体調不良に対するきめ細かな対応が難しい」といった制約があることから、「現時点で推奨するものではない」と明記している。

 ただし、個別接種の体制の確保が困難である場合等、地域の事情により市町村の判断で学校等集団接種を行う必要がある場合には、適切な対策を講じる場合に限り実施できるとしている。その際、16歳未満の幼児児童生徒であることから、特に保護者に対し丁寧な情報提供を行い保護者の同意を得ること、小学生以下の幼児児童への接種については保護者の同意を予診票上の保護者自署欄で確認できる場合であっても保護者の同伴を要すること、といった留意点をあげている。

 学校等集団接種が事実上の強制とならないために留意すべき点には、授業中等の教育活動を実施している時間帯に行わないこと、放課後や休日・長期休業期間等に設定して接種の判断を行うにあたっての心理的負担を軽減するよう工夫することを求めている。

 この他、集団接種に対応できる体制の整備、思春期に発生しやすい予防接種ストレス関連反応(ISRR)への対応、幼児児童生徒が医療機関等でワクチン接種を受ける場合の出欠の取扱い、副反応が出た幼児児童生徒の出欠の取扱いについても記載している。

 また、予防接種歴の取扱いについては、接種の強制につながることのないよう、幼児児童生徒の行事への参加等にワクチン接種等の条件を付すべきではないと明記。差別やいじめ等を防止する観点からも、「ワクチンの接種は強制ではない」「周囲にワクチンの接種を強制してはいけない」「さまざまな理由でワクチンを接種することができない人や接種を望まない人もいる」「各自の判断は尊重されるべきである」といったことについて学校等においてしっかりと説明し、保護者に対しても理解を求めるよう記している。

 事務連絡の巻末には、厚生労働省が作成した5歳~11際の子供とその保護者に向けたワクチン接種についてのリーフレットを掲載。前例のないワクチンの子供への接種に不安をもつ幼児児童とその保護者に対する情報提供の1つとして活用できるよう付記している。
《畑山望》

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