宿題とは?
学校と家庭の間で意識のギャップが生まれ、両者がモヤモヤを抱える可能性のあるものの1つに「宿題」があります。学校は一律に宿題を出すことがあるのですが、家庭の状況はさまざまです。そういった中で「先取り学習」の問題はよく起こります。
「宿題」について辞書で調べると「1.家庭でやってくるべきものとして教師が児童・生徒に課する、学習上の課題、2.解決が後日に持ち越された課題(小学館・デジタル大辞林)」となっています。また、学校における学習の法的根拠となっている学習指導要領には宿題は位置づけされていません。宿題は、学校や担任がそれぞれの判断で取り組んでいるものであり、法的根拠等は明確ではありません。
そういった状況において、今回のテーマのような苦情が保護者から寄せられた場合、学校としては宿題の取り組み方についての確認をする必要があるでしょう。宿題に関して、学校としてある程度の統一したやり方を決めている場合が多いです。ただ実際の運用に関しては、学年や学級で決めることも多いです。
宿題だけではありませんが、「〇〇スタンダード」のように学校での取り組み方等を統一させている学校があります。ある程度統一したやり方にすることで年度の切り替わり時等に子供が戸惑わないという理由からです。そういった「〇〇スタンダード」の良さもあるのですが、問題点があることも事実です。
今回の「一度取り組んだものを消させる」というやり方は、子供の学びの意欲を消失させる可能性のあるものです。宿題の取り組み方は、学年や担任に任されているとは言え、やったものを消させることは、子供や保護者から不信感を抱くことにつながりかねません。学校では「落ちこぼれ」と共に「吹きこぼれ」も一定数発生させていると言われています。学級全体でペースを揃えながらドリル等に取り組ませたいという意図があるのだと思いますが、それでも不適切なのではと私は感じます。もし同じペースで取り組ませていきたいのであれば、その理由等を丁寧に子供や保護者に説明する必要があるでしょう。丁寧に説明しても間違える場合があるでしょう。そうした場合は、次から気を付けるように伝えることが大切であり、やったものを消させるのは少し違うように思います。
教育方法が大きく変化
「個別最適化」や「GIGAスクール構想」等の言葉が学校でよく聞かれるようになっています。昨今の教育現場では教育方法に大きな変化が出てきています。明治期以来100年以上取り組んできた紙の教科書、ノート、そして黒板等を用いてきた学習の取り組み方が1人1台のタブレット/PC端末によって変化が生じています。コロナ流行に際しても、学校を休校にするのではなく、オンラインで授業を実施している学校はたくさんあります。宿題に関してもこれまでとは少し考え方を変えていく必要があるのではと感じます。学級の子供が一律に取り組む宿題も必要なのだと思いますが、これまで以上にその子供に合った(苦手な部分を取り組む、好きな部分をさらに調べる等)宿題が増えてくるのだと思います。
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