文部科学省は2021年7月28日、2020年度(令和2年度)学校保健統計調査(確定値)の結果概要を公表した。裸眼視力が1.0未満の割合は、小学校37.52%、中学校58.29%で、過去最多を更新。肥満傾向児は、高校1年生を除く各学年で前年度より上昇した。 学校保健統計調査は、学校における幼児・児童・生徒の発育や健康の状態を明らかにすることを目的に1948年度から毎年実施している。調査対象は、国公私立の幼稚園、幼保連携型認定こども園、小学校、中学校、義務教育学校、中等教育学校、高等学校の満5歳から17歳までの一部(抽出調査)。2020年度は新型コロナウイルス感染症の影響により、例年4月1日から6月30日に実施する健康診断の期日を年度末まで延長している。 裸眼視力1.0未満の者の割合は、年齢が高くなるにつれて増加傾向にあり、幼稚園27.90%、小学校37.52%、中学校58.29%、高校63.17%。小学校と中学校で過去最多を更新した。小学1年生で約4人に1人、小学6年生で約半数が裸眼視力1.0未満となっている。 虫歯(う歯)の者の割合は、幼稚園30.34%、小学校40.21%、中学校32.16%、高校41.66%。8歳の47.51%がもっとも高くなっている。鼻・副鼻腔疾患の者の割合は、小学校・中学校で1割程度であった。 身長の平均値は1994年度から2001年度あたりをピークに横ばい傾向で推移。体重の平均値は、1998年度から2006年度あたりをピークに横ばい傾向で推移。痩身傾向児の割合は、この10年間でおおむね横ばいもしくは増加傾向で推移している。 肥満度20%以上の肥満傾向児は増加傾向にあり、高校1年生を除く各学年で前年度より上昇した。男女別では、男子は幼稚園から高校3年生まで全学年、女子は高校生を除く全学年で前年度より増加。前年度との比較では、小学3年生で2.77ポイント、小学5年生で2.34ポイント、小学4年生で2.26ポイント増えている。 2020年度学校保健統計調査(確定値)の結果概要は、文部科学省Webサイトに掲載している。