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東京都内公立学校の体罰実態公表、根絶に向けた取組みも

 東京都教育委員会は2021年6月24日、2020年度(令和2年度)に発生した都内公立学校における体罰の実態把握について公表した。2020年度に体罰を行った者は、前年度(2019年度)比12人減の7人。すべて教職員であった。

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体罰の有無
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 東京都教育委員会は2021年6月24日、2020年度(令和2年度)に発生した都内公立学校における体罰の実態把握について公表した。2020年度に体罰を行った者は、前年度(2019年度)比12人減の7人。すべて教職員であった。

 東京都教育員会は、体罰等の実態を的確に把握するため、都内の全公立学校の教職員、児童・生徒を対象に実態調査を行っている。2020年度調査では、都内の全公立学校2,150校のうち214校から報告があった。教職員には校長による聞き取り調査、児童・生徒には質問紙調査および聞き取り調査を行っている。調査時期は2020年12月。なお、2021年3月末までに発生した体罰等事案も含まれている。

 調査の結果、東京都教育委員会において審査および認定をしたのは、「体罰」7人、「不適切な行為」139人、「指導の範囲内」75人。体罰を行った者は、前年度(2019年度)比12人減となっている。

 体罰の行為者は7人すべてが「教職員」。体罰を受けた児童・生徒は、前年度比18人減の8人。体罰の場面は「授業等の教育活動中」6、「部活動中」1。体罰が行われた場所は「教室」6、「体育館」1であった。

 体罰の原因は「態度が悪い」2、「指示に従わない」5。体罰の行為者7人のうち、「感情的になり体罰に及んだ」6、「言葉で繰り返し言っても伝わらなかったことにより体罰に及んだ」1。体罰の程度が著しい事案は1件で、悪質・危険な行為を行った事案はなかった。

 各学校における体罰防止研修等の取組みにより、体罰や不適切な行為を行った者は減少したが、根絶には至っていない。

 東京都教育委員会では、体罰の根絶に向けた今後の取組みとして、7・8月を体罰防止月間とし、今回の調査結果を踏まえた校内研修等を全公立学校で実施する。部活動の教育的意義や体罰防止等に関するガイドラインの活用、体罰等により懲戒処分を受けた者に対し、再発防止の観点から、アンガーマネジメント研修等を実施する等を予定している。

 調査結果の詳細は、東京都教育委員会Webサイトで公開している。体罰の分類基準、体罰の程度が著しい事案が発生した学校名や事案の概要等も明らかにしている。
《外岡紘代》

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