文部科学省は2021年4月27日、令和3年度(2021年度)SDGs達成の担い手育成(以下「ESD」)推進事業の採択状況について発表。応募のあった36団体のうち、広島大学、東京学芸大学等14団体が採択された。 「SDGs(持続可能な開発目標)」とは、2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として、2015年9月の国連サミット採択の「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標。「貧困をなくそう」「質の高い教育をみんなに」といった17のゴールと、169のターゲットで構成されている。 文部科学省では、SDGs達成に向けた取組みが広く普及したこと、2020年度から始まった新学習指導要領において「持続可能な社会の創り手の育成」が明記されたこと等を背景に、ESDの推進に向けた内外のニーズが一層高まっていることを踏まえ、SDGs達成の担い手に必要な資質・能力の向上を図る優れた取組みに対する戦略的な支援を実施している。 2021年度は、ESD推進事業者の公募を2月3日から24日に実施。外部有識者からなる文部科学省ユネスコ活動費補助金事業審査委員会において書面審査を行い、応募のあった36団体のうち14団体を採択した。 事業の内訳は、「(1)カリキュラム等開発・実践」が5件(静岡大学、タカラトミー、日本極地研究振興会、宮城教育大学、愛知教育大学)、「(2)教師教育の推進」が6件(金沢大学、静岡大学、東京学芸大学、奈良教育大学、金沢工業大学、広島大学)、「(3)教育(学習)効果の評価と普及」が2件(ユネスコ・アジア文化センター、横浜市教育委員会)、「(4)ユース世代の活動の推進」が1件(京都市環境保全活動推進協会)。 たとえば、(2)に採択された広島大学では、教師教育のプラットフォーム事業の一環として、地域・学校発のデジタルプラットフォームを構築。ESDやSDGsに関する研修会の講演、ワークショップ、授業実践報告および教員免許更新講習等の情報を統合・整理してアーカイブスを作成して公開し、教員のスキル向上と交流を図る。 文部科学省Webサイトでは、各団体の事業名や事業概要、活動地域が確認できる。