福岡市は、2022年度(令和4年度)福岡市立学校教員採用候補者選考試験から、筆記試験や面接を課さない新たな採用試験制度を導入する。九州大学など、近隣15校の国公私立大学と連携して、教育実習評価と大学推薦のみで採否を決定する。 福岡市は2020年12月、近隣15大学と「福岡市・大学教員養成連携協議会」を設置した。参加するのは、福岡教育大学、福岡大学、中村学園大学、西南学院大学、筑紫女学園大学、九州女子大学、九州女子短期大学、九州産業大学、福岡女学院大学、久留米大学、九州大学、福岡工業大学、福岡女子大学、福岡県立大学、日本経済大学の国公私立15大学。 教員採用の現状や課題、新たな時代に対応できる教員養成のあり方などについて議論を続けるとともに、2021年3月30日には、福岡市教育委員会と15大学が教員採用にかかる連携協定を締結。福岡市と大学が連携・協力して教員を志望する学生を指導・育成し、2022年度から新たに導入する教員採用試験制度により優秀な人材を教員として積極的に採用していく。 新たな教員採用試験制度の導入を前に2021年度からは、教員養成の充実に向けた取組みに着手。教育実習では、学生は学校現場で4週間、副担任として児童生徒と関わり、実践力の向上を目指す。また、現職教員が大学で講義することで、現場体験を踏まえた講義を実施。GIGAスクール環境下で学ぶ子供たちに質の高い学びを提供するため、ICT能力の養成にも注力する。 従来の教員採用試験では第1次試験として教養や専門教科などの筆記、第2次試験として面接や模擬授業などを課していたが、2022年度から導入する提携大学の学生を対象とした特別選考では、これらの試験をすべて免除。教育実習評価と大学推薦のみで、学生の採否を判断する。